夫の初盆
2020年8月15日
今年は昨年10月に亡くなった夫の初盆です。
夫が亡くなって約10ヶ月が経ちました。家族のことで気になることがあると何かにつけて、仏壇の前で話しかけたり、お願いしますよと頼んでみたり、そんな様子を見て、娘がじじちゃんもおちおちしてられないねと話すなど、日常の中で役割を果たしている亡くなった夫です。
亡くなった故人の霊が初めて帰ってくるという初盆です。
この間、ずっと走り続けてきましたが、この数日、部屋の片づけを含め、娘とお盆の準備をする中で、夫と向き合いながら心の休養をとることができました。
子どもの頃、母や兄が毎年、お盆がくると行なっていた迎え火を焚く光景や、玄関の前に提灯を飾る光景、お盆といえばトウモロコシでつくった馬と茄子でつくった牛を見て、感心したり面白がったのを覚えています。ゆったりと流れる山深い田舎の日常の中で、このお盆はいつもと違う非日常の数日間で、ふるさとの山や川、畑とともに鮮明に覚えています。
私もキュウリで精霊馬を、茄子で精霊牛をつくってみました。霊を迎える時は馬に乗って早く、戻るときは牛に乗ってゆっくりという意味が込められているということも初めて知りました。精霊棚に位牌を置き、果物のお供えと白提灯を吊るしました。
御縁があって葬儀の時にお願いした住職さんに8月13日、お経をあげていただきました。心にすっと入ってくる読経でした。大切な人を失ったことを心に言い聞かせる一つの節目なんだなと思いました。
家族とともに夫に向き合う静かな数日を過ごしました。