津久井やまゆり園を訪問しました
共産党県議団は26日、8月から新しい施設で生活が始まった県立津久井やまゆり園(相模原市)を訪問しました。2016年7月26日に起きた凄惨な津久井やまゆり園事件から5年の歳月が過ぎ、この日は月命日「法人祈りの日」でした。正門前の広場に設置された鎮魂のモニュメント前で19人の方のご冥福をお祈りし黙祷を捧げました。
現在、入所されている方々の生活や支援員の体制、意思決定支援などについて園長先生、総務部長、県福祉子ども局障害サービス課長からお話を伺い、園内を案内していただきました。
事件当時の入所定員は160人で1ユニット(居住単位)20人。多くが2人部屋で一部個室がありました。新築/改築後は定員66人、1ユニット11人で全部個室、6ユニットあります。8月1日のスタート時は41人、その後4人入所されて現在、45人とのことです。一方芹が谷やまゆり園も定員は66名で、現在の入所されている方は54人とのことです。
個室になった様子をお聞きしたところ、園長先生から「個室になり、プライベートが配慮され、メリットがある。ただ、重度障がいの人が多いので、部屋での過ごし方に関しては支援に工夫が必要です」と説明がありました。
支援体制は生活1課、2課、3課があって、それぞれの課に、支援員は20人と非正規1人か、支援員19人と非正規2人の体制で、いずれも支援員は21人体制です。ひとつの課が2つのユニットを担当するとのことですので、利用者が22人に、支援員が21人ということになります。それぞれの課に課長1人、支援主任1人、支援員18人。夜勤者は以前より倍加し、全部で7人体制とのこと。
2019年度と2020年度私は厚生常任委員会を担当していました。事件後、虐待の恐れがある支援があった問題で何回か厚生常任委員会に報告され質問しました。県が指定管理者のかながわ共同会の支援のあり方などを検証するモニタリングが法人任せになっていたことを指摘しました。今後は当事者目線の支援を行うことや意思決定支援チームにより本人の望む住まう場所や生活などを尊重するために、アドバイザーを置くとしていたがどうされているか、意思決定支援チームに県の職員が入っているかなどを聞きました。
専門性の高いアドバイザーをおいていること、支援チームには、本人、関わっっている人、支援員、行政のケースワーカー、県の職員などが入っているとのことです。
当事者目線の障がい福祉の支援、意思決定支援を行うには、障害者に寄り添い意思を汲み取る職員との関係性、継続性が重要であるとともに、職員の増員配置が必要と求め、当時の課長から配置を増やすとの見解が示されました。
かなりの増員になっていると思いますが、指定管理料としては、事件前160人が一つの施設で暮らしていたが、再生後、落ち着いて安定した生活をするには一つの施設を小規模化することが必要として1施設66人にし、二つの施設にしたことで指定管理料は2倍になっているとのこと。
入所施設ではあるが、通過型の施設で、契約を3年としており、保護者の方に理解してもらうことが必要とのことです。地域移行をするために施設内に体験型の部屋を用意しているとのこと。地域移行するには丁寧な支援が必要です。
通過型とはいえ、家族で暮らしながら親の高齢化などから在宅が困難になり、入所を希望される方もいる。地域で暮らすにしても、地域支援体制はまだまだ不十分で、地域で安心して暮らすには、地域における支援体制を強めることが必要です。
園長先生が、意思決定支援は当事者だけでなく、家族も入るという考えにほっとする思いをしました。いずれにしても施設入所か、地域で暮らすのか、選択できるよう整備することが必要と思いますし、県がどう支援していくのかが問われます。施設を出た後、地域移行になじめなくなった際もまた施設に戻れるという安心のシステムが必要と思います。
地域の障がい福祉の拠点として県の施設は重要な役割を担うと思います。