日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
くらしと平和 希望ある未来へ
石田 和子
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農地を活用したソーラーシェアリングについて【12/9環境農政委員会質問その2】

2021年12月20日

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農地を立体的に活用し、エネルギーと作物を同時に創ることが出来るソーラーシェアリングについてです。ソーラーシェアリングは「食もエネルギーも地産地消」というコンセプトに基づいた自家発電・自家消費型の取り組みと思います。昨今におけるSDG’Sの認知の広がりによって、食糧問題や環境問題を中心に、世界的に農業や再生可能エネルギーの活用が改めて見直されています。

ソーラーシェアリングの推進については担当が産業労働局のエネルギー課なので、環境農政局としては回答ができないということで、農地を担当する立場の考えを質問しました。以下、要旨です。なお、県議会のHPに動画がアップされていますのでご覧ください。

【質問1】

神奈川県都市農業推進条例の基本理念に、「農業の有する多面的機能の発揮と循環型社会への貢献」とあり、基本的施策の一つに「農地の有効利用の促進」とあります。ソーラーシェアリングを進めることは、この理念や基本的施策に沿う事業と思うが見解を伺う。

【答弁】

ソーラーシェアリングについては、農業経営基盤の安定化や耕作放棄地の解消につながり、都市農業の循環型社会の形成のための1つの方策として、神奈川県都市農業推進条例の理念に沿うものと思われる。

【質問2】

農地で営農型太陽光発電にとり組むにあたって、設備の設置にあたっては、農地法に基づく一時転用許可が必要です。許可要件の考え方と必要となる届け出について伺う。

【答弁】

許可要件の考え方については、営農型太陽光発電を設置する下部の農地での営農の適切な継続が確実か、農作物の生育に適した日照量を保つための設計であるか効率的な農業機械の利用が可能な高さであるか、周辺農地の効率的利用に支障がない位置に設置されているかなどの要件を満たして、一時転用の許可を受ける必要がある。

・ また、営農型太陽光発電の一時転用許可を受けた後に届け出る書類としては、パネル下部の農地における農作物の生産状況について、原則として毎年、転用許可権者に報告する必要がある。

【質問3】

県内で、ソーラーシェアリングを行なっている3年間の件数の推移と一時転用許可の面積の推移を伺う。また、ソーラーシェアリングが行われている地域として主にどのような市町村があるのか、地域的な特徴と併せ伺う。

【答弁】

県内でソーラーシェアリングを設置するための新規の一時転用許可は、平成30年度には7件で0.6ヘクタール、令和元年度には17件で1.6ヘクタール、令和2年度には12件1.4ヘクタールとなっている。

・ ソーラーシェアリングが行われている主な市町村は、中井町で31件、小田原市で12件など、県西地域が多く見られる。

・ 一方、横須賀三浦や横浜川崎地域は少なく、県東部で少ない傾向が見られる。

【質問4】

県内の耕作面積は2015年度19,600haから2020年度は18,400haと1200ha減少している。耕作放棄地は鳥獣害と自然災害を誘発するだけでなく、農村景観と文化を損ねるとともに、地域の衰退につながる社会問題でもある。

かながわ農業活性化指針では、耕地面積の目標値をどのように設定しているか伺う。耕地面積の減少を止める方策としてソーラーシェアリングの推進についての見解を伺う

【答弁】

・かながわ農業活性化指針における農地面積の数値目標は、2015年を基準年と

し、2015年の耕地面積19,600ヘクタールを目標年である2026年に17,900ヘクタールを確保することを目標としている。

・ この目標を確保するため、担い手への農地の集積や基盤整備、耕作放棄地対策などの施策を推進することで、農地の保全を図りたいと考えている。

・ 一方で、ソーラーシェアリングの実績は、平成26年2月から令和3年11

月末までの約7年間で、66件、約5.7ヘクタールとなっており、耕地面積の減少を食い止める方策としては限定的と考えている。

【質問5】

農地の有効利用に当たり、ソーラーシェアリングについて、今後、どのような取り組みを行うのか伺う。

【答弁】

・ 県内で荒廃農地を再生してソーラーシェアリングに取り組んでいる事例は6件であり売電収入や自家消費電力が得られるメリットが期待されるので、農地の有効利用につながる取組の一つと認識している。

・ このため、農地法の一時転用許可手続の制度や優良事例について、県のホームページで周知しており、そのほか、市町村農業委員会などの農業関係機関を通じて、農業者に周知、紹介することで、引き続き産業労働局と連携して推進していきたいと考えている。

【要望】

5月に改正された「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づき、本

県の「地球温暖化対策計画」に「再生エネルギーの利用・導入の促進」など4つの施策の目標の設定が義務つけられた。

ソーラーシェアリングは農業と再生可能エネルギーを両立させる取り組みです。ソーラーシェアリングの融資や補助事業などの具体的な取り組みは産業労働局の管轄ですが、今議会に提案されている「地球温暖化対策推進条例」の一部改正議案には、「地球温暖化対策の推進は、2050年までの脱炭素社会の実現を旨として行われなければならない」としている。

その趣旨に基づいて、ソーラーシェアリングについても、その対策の一つと思いますので、答弁にあったように環境農政局と産業労働局が横串を指して、連携、協力することを要望します。

以下は11日に行ったソーラーシェアリングについての意見発表

県内では、荒廃農地を再生してソーラーシェリングに取り組んでいる事例は6件あり、売電収集や自家消費電力が得られるメリットが期待されるので農地の有効活用につながる取り組みのひとつと認識している。また、農地法の一時転用許可手続きの制度や優良事例について県のホームページで周知、市町村農業委員会などの農業関係機関を通じて農業者に周知、紹介することで、引き続き産業労働局と連携して推進していきたいとのご答弁でした。

ソーラーシェアリングは、農業と再生可能エネルギーを両立させる取り組みですので、2050年までの脱炭素社会に向けての対策の一つと思います。融資を利用しやすくしたり、補助事業の創設など産業労働局と連携して推進することを要望します。

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