日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
くらしと平和 希望ある未来へ
石田 和子
ブログ

病床の確保・拡充について一般質問その4

2023年3月5日

【石田質問】

これまで、私たちは、コロナ禍を経て明らかになった医療体制の脆弱性を改善するため、医療体制の拡充を求めてきました。

本県は昨年6月、「新型コロナウイルス対応に係る検証と国への提言」を行っており、“コロナで顕在化した保健医療提供体制の問題点”として、民間中心で公的機関が少ないこと。また、平時に最適化された経営を求められてきたため、有事に必要な健康危機管理対応を行う余裕を持てない状態であったことなど重要な提言を行いました。

厚労省は2019年に「病床削減」を前提とした公立・公的医療機関等の再検証を要請する医療機関名を公表、本県の対象は10病院でした。神奈川県では、当時、厚労省から再検証の要請通知を受けて、地域医療構想調整会議で議論し、対象医療機関の再検証結果をまとめています。

厚労省が昨年12月にまとめた都道府県の調査結果によると、2017年と2025年の予定病床数を比べると、全体の病床数は、2,500床から2,366床に134床減少する見込みです。このうち、回復期病床は、417床から684床に増加する一方で、高度急性期病床は15床、急性期病床は225床、慢性期病床は16床それぞれ減少します。コロナ禍で重要な役割を果たしてきた急性期・高度急性期病床が減少すれば、更なるパンデミックに対応できなくなることを危惧します。

本県の病床数は、特に一般、療養、精神、感染症、結核病床が全国平均より低い状況です。 230222石田県議一般s06(県内基準病床数)[2073]

2022年4月1日時点の2次保健医療圏ごとの既存病床数は、横浜、相模原、横須賀三浦、湘南西部、県央の5つにおいて、基準病床数を下回り病床不足となっています。県は現在、第8次保健医療計画(医師確保計画)」策定に向けた議論を始めています。

そこで知事に伺います。

昨年6月、公的医療機関が少ないことに言及した国への提言を踏まえれば、公的病院における急性期・高度急性期病床の減少ではなく増やすべきと考えますが見解を伺います。

また、あらゆる対策を講じ、2次保健医療圏で、既存病床数が基準病床数を下回り、病床が不足している5つの医療圏の病床の確保対策について見解を伺います。

●さらに、「第8次保健医療計画」に必要な医療体制、不足する病床機能の確保、医療従事者の確保・養成をどのように盛り込むのか見解を伺います。

【知事答弁】

次に病床の確保拡充についてです。まず公的病院における急性期・高度急性期病床の増床についてです。新たに病床整備を行う場合、不足している病床機能を優先的に整備する必要がありますが本県では回復期病床が不足しています。仮に民間病院で回復期病床の整備が進まない場合は公的病院が回復期への転換を図ることを検討する必要があります。こうしたことから公的病院が急性期・高度急性期病床を増やすことには課題があると考えています。

次に病床が不足している 2次医療圏の病床確保対策についてです。 本県では現在5つの2次医療圏で毎年度地域医療構想調整会議において病床の確保に向けた協議を行っています。また医療機関が回復期病床を整備する際に活用できる補助メニューを用意し不足する病床の確保に取り組んでいます。今後も地域の医療関係者や市町村と協調しながら必要な病床の確保に取り組んでいきたいと考えています。

最後に第8次保健医療計画の策定に向けた基本的な見解についてです。県では令和5年度中に第8次保健医療計画を策定するものとしています。第8次計画では今年度末に国から示される計画策定指針を踏まえ必要な病床数や医療従事者数などについて具体的な数値目標を設定したいと考えています。

その数値目標に基づき今後必要な取り組みを検討してまいります。

【石田再質問】

厚労省は2015年にスタートした地域医療構想に基づき急性期病床を削減して回復期病床に転換する方針を示してきました。また2019年に公立公的医療機関の再編見直しの方針を示しました。

しかし その後新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、この3年間感染爆発の波が来るたび医療逼迫医療崩壊を繰り返してきました。 まさに新型コロナパンデミックは医療体制の脆弱さを浮き彫りにしました。民間中心で公的機関が少ないこと、余力がないとコロナ患者を受けることができないということを県自身も昨年6月に国に提言をしました。

地域医療構想が示された後で新型コロナ感染症が流行しています。今、減少傾向が続いているものの、いつ変異株や新しい感染症が起こるか分からないと指摘をされています。コロナの前の考え方をそのまま継続するのではなく新興感染症の大流行を踏まえた医療提供体制が必要ではないでしょうか。コロナでの医療崩壊の教訓をしっかり踏まえた医療提供体制を構築すべきと考えますが知事の見解を伺います。

【知事答弁】

次に医療提供体制についての質問でありますが新興感染症の大流行を踏まえた医療提供体制の構築についてのお尋ねでありました。国においては第8次医療計画の策定にあたり 新興感染症への対応を盛り込むこととしています。

今年度末に国から計画策定指針が示されますのでそれに基づいて新興感染症にも対応できる医療提供体制を検討してまいります。

PAGE TOP