日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
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石田 和子
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9月補正の質疑①・病床確保について〈10/1厚生常任委員会〉

2020年10月8日

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新型コロナウイルス感染症の主に重症患者のベッドの確保の現状と秋冬の感染拡大が心配される中、県は9月補正予算にベッドの拡大をどれだけ見込んだか、医療機関への財政支援、PCR検査の拡大、慰労金などの質疑をしました。長くなるので、何回かに分けて報告します。なお、質問、答弁、要望ともに要旨です。

県は県域全体のコロナ対応の医療機関やベッドの確保について重症、中等症、擬似症、軽症・無症状に分けた「神奈川モデル」を示しています。

質問神奈川モデル」に病床の確保として示している即応病床と準備病床について、9月28日現在の重症患者の「即応病床数」は、入院者30人と空床数35をプラスした65床となっているが、この空床数は、重症患者の緊急入院にすぐに対応できるベッドとして常時、確保されているベッド数か伺う。

また、重症患者の「準備病床」について、ICU-集中治療室のベッドと思うが、ICUは、新型コロナウイルス感染症以外の重篤な疾患の治療や第2次、第3次救急搬送の最前線として対応にあたることも考えられますが、準備病床はどのようなベッドなのか、即応病床との違いについて伺う。

【答弁】即応病床については、入院が必要な場合、すぐに即日対応できる病床として確保されているベッド数。一方、重症患者の準備病床は、基本的にICUまたはHCUのベッドが対応している。準備病床については、感染が拡大した場合に備えて、新型コロナ感染者を受け入れられるように、病院に予定していただいている病床です。

【質問】② −1 病床使用率の考え方について

毎日、県のホームページに最新感染動向がアップされ病床使用率が明記され

ている。分母は即応病床数であり、9月24日現在で重症患者に対応する高度医療機関は即応病床数65床のところ利用中が30床であり、病床使用率は46%

一方、連日アップされているモニタリング指標では、分母は、即応病床と準備病床を加えた確保病床となっており、確保病床数は200床であるため、病床使用率は15%

同じ24日ですが、分母の違いによって利用率が変わってくる。(46%、15%)。準備病床は答弁にあったように、病床を常に開けているわけではなく、救急患者が搬送されれば当然使用されるし、いつでも即刻、重症者の新規受け入れ可能な状態ではない。病床利用率の考え方だが、要請されたら2週間以内に対応するとしている準備病床を加えた確保病床を分母にする理由を伺う

【答弁】現在HPのリニューアルをおこない、病床利用率として出しているのは「重症者」または「軽症者も含むそれ以外の患者」となっている。モニタリングに利用している病床稼働率は、最終的な確保病床を分母としているが、これは国のモニタリングで使用する数字を示している。ほんとうであれば病床稼働率が高いはずなのにそうは見えないと誤解が生まれかねないという委員のご指摘かと思いますが、実際にその時点でどれくらいなのかと示すことは重要ですので、稼働率の分母としては最終的な数値(確保病床のことと思う)としていますが、県民の皆様に公表しているHPでは、即応病床、最終的な病床(確保病床)と明確にわかる形で数値を出している。

質問】②―2 即応病床に対する使用率は、9月24日現在、高度医療機関46%、重点医療機関41%、擬似症・軽症は60%だった。この使用率について見解と対応を伺う

【答弁】昨日時点の稼働率は重症者が30.1%、その他の方が42.3%。高い印象をもたれるかもしれないが、一般的な病床稼働率は70〜80%で多い所は90%のところがある点からすると逼迫している数字ではないと考えている。一方で、モニタリングの指標を低めに設定してしまうと病床の拡大を検討しなくてはならないと考えることになるが、医療機関側にとっては経営的にも厳しいという状況があり、県民の皆様にとってもコロナによる受診控えもあって通常の医療の一部ができないような状況もあった中で、またストップしてしまうのはこれまた大きな問題なので、現在はこうした考え方で進めることに問題はないと考えている。

【質問】③即応病床確保は650床から拡大時には1100床確保する

現在の即応病床は高度医療機関40床、重点医療機関260床、重点医療機関協力病院350床、あわせて650床です。即応病床の拡大時は、それぞれ、100床、550床、450床で合計1100床確保するとしているが、どのような時に拡大するか伺う

【答弁】感染状況をモニタリング指標で常時行なっている。現在ステージ2だが、今後感染が拡大し、ステージ3に移行すると見込まれる場合には、各医療機関に拡大を要請することを検討する。その段階で、2週間以内に即応病床を1100床まで拡大する予定。2週間という考え方は一般の入院している平均在院日数が2週間程度なので、2週間あれば一旦退院された方の後に新たな入院者を入れないでコロナ用に準備する期間となると考えている。

【質問】④川崎の実態と都市部での即応病床を増やすことについて

地元川崎では、コロナの重症患者受け入れ病院を「2病院、28床確保している」と発表していたが、実際は常時コロナの受け入れをしているのは9床しかない。8月中は6床前後埋まっており、常時の受け入れは3床しかなかった。

実際、4、5月には、新規コロナ重症患者を市内では受けられず、おとなりの横浜市でもダメで、県西地域まで搬送したと聞いた。都市部の即応病床を増やすことが必要と思うが見解を伺う。また、こうした時の広域自治体としての課題と対応を伺う。

【答弁】人口や感染者数など地域性の配慮が必要という指摘をいただいた。基本的には病院の数自体が都市部に集中していることから神奈川モデルに参加していただいている病院も横浜川崎の病床数が多いという現状はある。しかし、先ほどのお話のように都市部でも感染者が多くなり、近隣の医療機関で受け入れる事が難しい場合には、神奈川モデルで県内全域を対象に医療提供体制を構築していることから、ICTシステムを使って全県域の医療機関の空き状況をリアルタイムで県と医療機関相互で共有ができ、柔軟に搬送先などの調整を行う体制が整っているので、現時点でも対応はできることから、搬送先の調整が困難といった状況ではないと考える。

【要望】即応病床と準備病床の違いと病床稼働率が高い時があったので非常に心配していた。病床使用率が何を分母にするかで違うといった情報を県民が見た時にどうなのかと思い質問した。県域全体で対応するということだが、特に、都市部において、3床しか重症患者の受け入れ先がないという、本当に大変不安な状況もあったので、秋冬に感染拡大時には、都市部における即応体制の拡大について検討を要望する。

後述 ・・・

質問を準備する際、HPの最新感染動向に示されている即応病床と準備病床の違いについて行政と話している間に、9月末頃にリニューアルされていました。現状では、神奈川モデルで県域で受け入れるのは、仕方ないのかもしれませんが、②の2の答弁で、「医療機関にとっては経営的にも、厳しいという状況があり、県民の皆様にとってもコロナによる受診控えもあって通常の医療というものが一部できないような状況もあったなかで、またストップしてしまうのはこれもまた大きな問題ですので」と課長が述べていますが、現状の厳しさを語っていると思いますが、だから県の考え方に問題がないということにならないと思います。

根本には、この間の国の医療政策のもと、病床削減が進められてきたからと思います。国は医療機関の経営の厳しさへの支援を行い、通常医療もしっかり行う事ができる医療体制をつくる事。コロナ対応のために不急の手術や検査を先伸ばししなくて済むような感染症対策を充実し、余力ある医療体制の構築こそ必要と思います。

どのような答弁がされるか基本的にはわからないので、予定した質問の角度を変えた部分もありましたが、問題提起はできたかと思います。引き続き注視していきます。

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