医療従事者慰労金、児童福祉施設への感染拡大対策など調査で分かったこと
以下は、意見・要望などが寄せられた事業について行政から説明と資料をいただきましたので報告します。
(1)医療従事者慰労金事業費105億円についてです。
「介護、障害福祉施設などの職員に対する慰労金」については、9月補正は計上されていませんが、医療従事者への慰労金については6月補正に続き9月補正予算案に105億計上されています。対象は、医療機関、訪問看護ステーション、助産所です。
① 9月補正が組まれた理由及び今回の補正の対象人数について伺う。
回答)9月補正の提案理由は、6月補正予算では支給対象者を約20万人と積算したが、その後、国から清掃など、業務委託先の従事者も勤務実態により支給対象に含まれることなどが示され、再度積算をしたところ対象者が約7万人増加したことによるもの。
② 申請状況と支給状況について
回答)医療機関からの申請については8月から業務委託先の従事者も含めて受付を開始しており、2月末まで受付を行う。
○8月の申請分については、不備などがなければ9月末に支払っておりますが、件数約3600件(医療機関約1800件、歯科約1700件、訪問看護約100件)、対象者約38000名、支給額約19億5千万円となっている。
③ 問い合わせのコールセンターについて
医療機関などからの制度の照会に対応する問い合わせのコールセンターがなかなか繋がらないので、回線を増やすとかメールやファックスでも受け付けるなど改善を求める声がありますが、対応を伺う。
回答)医療機関などからの制度の紹介に対応する問い合わせのコールセンターについては、5回線で行なっているが、国も併せてコールセンターを開設している。さらに医療課への問い合わせも直接行なっている。
○これまでもホームページ上に質疑応答を掲載し、頻繁に更新するなど、情報提供を行ってきましたが、今後とも利便性の向上に向け取り組んでいく。
④ 増大する業務量への対応について
膨大な申請数と慰労金の20万円、10万円、5万円のそれぞれの要件に対
する審査や申請の提出状況の確認など業務量が増大すると思うが、体勢を強化しているのか伺う 。
回答)8月申請受付分を処理する9月末までは、医療課職員4名、全庁からの応援職員6名の体制で行なっていたが、10月から職員を2名増員、非常勤職員を6名採用して体制を強化するほか、一部業務を委託化し、増大する業務量に対応してまいる。
⑵「児童福祉施設における新型コロナウイルス感染拡大対策にかかる支援事業」についてです
県は2次補正で「児童福祉施設における新型コロナウイルス感染拡大対策に
かかる支援事業」として、28億8500万円計上し、9月8日、この事業の交付要綱を、各市町村長に発出している。1施設50万円を上限です。予算の説明では「保育所等が行うマスク・消毒液などの購入に要する経費に対して補助する」となっています。
国、および県の通知は、職員の感染症対策の業務を継続的に実施する事業に
ついての「かかりまし経費」や、感染防止対策として、非常勤職員を雇用した場合の賃金などに活用できるとされています。
① 対象となる児童福祉施設と施設数、交付申請期間、交付までの流れを伺う。
回答)保育系は1935カ所、児童関係95カ所。9月28日まで一旦締め切り。マスクや消毒液など購入した実績に基づき支払う実績支払い。年度末まで受け付ける。
② (申請は一旦締め切ったとのことです。)申請数と申請率について伺う。
回答)市町村から申請がくる仕組みで、32市町村から1929件、ほぼ100%近くきている。
保育所では、コロナ対策として保育における感染対策のほか、朝夕の子どもの受け渡しの態勢や、おもちゃ・遊具や教材、用具の消毒、清掃などの業務を現行職員で行うのは負担が大きく過密労働になっています。これまではなんとかしのいでいるが、この状態が長く続けば現場は持たないという声があります。
4月にさかのぼって交付金が支給されると聞いているが、かかりまし経費や非常勤職員の雇用なども含めば1年間で1施設50万円では到底足りるとは思えないことから、増額を検討して欲しいということも伝えました。
そして、慰労金事業の対象に、医療従事者、高齢者、障がい福祉施設の従事者とともに、保育所や学童保育の職員も加えてほしいものです。
国の緊急包括交付金の対象に入れるべきですし、それがダメなら、いくつかの自治体が活用して実施している「地方創生臨時交付金」の対象にすれば、慰労金を払うことができるのです。保育士や学童保育指導員は医師、看護師、介護福祉士などと同じようにエッセンシャルワーカーとして、緊急事態宣言下でも政府の要請に応えて役割を果たしました。
この問題は10月6日、大山奈々子県議が予算委員会で質問しました。