利用者目線の支援推進検討部会報告書及び津久井やまゆり園、芹が谷やまゆり園の指定管理者の指定について質問しました
3月9日、この日は福祉子ども未来局関連の質問日でした。20分間の中で、はじめに今回、高齢者施設や障害者施設の基準を定めた条例改正が18本も提案されており、規制緩和が盛り込まれていることから、その質疑を行ってからでしたので、残り時間は少なくなり、予定していた質問は全部できず、だいぶ割愛しました。なお、答弁は石田のメモですが、インターネット中継の録画は配信されていますのでぜひご覧ください。
「利用者目線の支援推進検討部会報告書(案)」およびやまゆり園の指定管理者の指定についてです。
利用者目線の支援を推進するための検討部会が6回行われ、その報告書(素案)が報告されました。
① 石田 まず、「行動障害」の方の支援について伺います。
報告書では、行動障害の方々への障害特性や支援についても議論が随分深められていることが伺えます。第5回の検討部会では強度行動障害のある方に集団生活をしてもらうのはどこかに無理が出てくる。行動障害のある方を集めての支援の仕組みは本人にとっても困難だし、支援者にとっても困難な状況になっているというご意見の記述がありました。報告書(素案)でも、障害者支援施設において、行動障害のある人への環境整備が十分でないとしています。
報告書では地域生活以降に向けたアプローチを積極的に行わなければならないとしていますが、県としてどのような環境と支援が必要であると考えるか伺う。
答弁
行動障害の方の支援は、専門性の高い人材が必要で、お一人一人に合った環境を整えていくこと、特性に合わせた支援が必要である。専門性の高い支援者養成が必要で、強度行動障害養成研修を行なっている。施設からの移行者を受け入れるためのグループホームなど地域における受け皿整備が必要と考える。
② 石田 強度行動障害の方々への支援として「環境」について検討部会の先生たちが述べているが、県としてどのような環境が必要と考えるか伺う。
答弁
検討部会の検討では、強度行動障害の方を一つに集める支援は難しいという意見をいただいたので、今後、どのような環境が望ましいか、新しい検討の場で検討していきたい。
③ 石田 今後に向けてさらなる検討の方向性として、今後の障害者支援施設の
あり方を踏まえた県立障害者支援施設の役割として、民間施設で受け入れ困難な重度の障害者を受け入れてきたが、大規模施設に集約して支援することは限界であるという記述があった。
県の「第5期障害福祉計画」では「施設から地域へ」という目標が掲げられています。重度障害のある人たちも安心して地域で暮らし続けることができる仕組みが必要と思います。障害者自立支援法が制定され、施設においても生活の場と日中活動の場を分けることを基本とすることになりました。県立施設の役割としても、地域の暮らしを支援する諸機能を整備し、民間と連携した圏域の拠点施設となることが求められると思います。報告書素案でも、今後の障害者支援施設のあり方について、民間施設や事業者を含めて県全体で議論する必要があるとしています。改めて、利用者目線の立場から、役割と機能、管理運営のあり方を総合的に検討する必要があると思いますが、県として今後どのような方向性を持ち、どのような検討の場を設けるのか伺う。
答弁
これまで県立施設は民間施設で受け入れ困難な重度障害者を受け入れる役割としてきたが、今回の部会の検討では、役割と方法が問われてきていると認識している。検討部会の結果を受けて、来年度、施設のあり方、利用者目線の支援をより実践していく場についてなど、会議の場を調整していくが、障害当事者や民間事業者も加わって、施設の機能、規模など闊達な議論ができる場を設けていく。
石田 要望 当事者の方々も含めて検討の場を設けていくとのこと。今後のあり方として、県立の役割、機能を含め、民間も含めて一緒にやっていく。報告書には、基本的に障害者の方々の人権を尊重する方向性が述べられていると思うので、これから、具体的にどのような取り組みをしていくのか問われると思うので是非、しっかり検討していただきたい。
④ 石田 かながわ共同会を2023年3月まで指定管理者に選定する議案について
非公募で競争相手がない中での評価であり、共同会がどこまで生まれ変わったかを厳正に評価したのかどうか、伺う
私は、昨年度の委員会の中で、県のモニタリングのあり方を厳しく指摘させていただきました。検討部会でも県のあり方が検証されたとのことです。それらを踏まえて、今後の県のモニタリングをどのよう進めるのかうかがう。
答弁
外部評価委員会の総括結果では、利用者目線の支援について様々な改善点が見られる一方、法人のガバナンスを根本的に改善する理事者の意欲が伝わってこなかったという点を伝えた結果、法人の改善が見られ、選定基準を満たしていることを確認したので、選定した。
モニタリングは昨年から現地に入って直接行うよう充実強化を図った。他の県立施設の職員もモニタリングに同行しながら、ともに検証し、学習する場としていきたい。
⑤ 石田 「支援の手法」として、報告書には、一人一人を丁寧にアセスメント
し、個別支援計画を立て、計画に基づき支援を行い、定期的にその結果を評価する。このプロセスをチームで確認しながら進めていくことが重要である。とチームが大事とうたわれている。こうしたことを実践するには、変則ローテーションの勤務体系と思うが、変則ローテーションの中で、職員がチームで関わりながらアセスメントを確認し、修正もしながら実践していくには、支援者を一人にしない支え合い、議論の場が必要です。中堅層が非常に大事な役割を持つとの一文があるが、中堅層がスーパーバイズできるには職員の定着による経験の蓄積が不可欠と思います。職場に人的なゆとりがなければ研修に参加できません。職員配置の考え方と以前、新しいやまゆり園のスタートの際には増員配置も考えるとしていましたが、どのような体制なのかうかがう。
答弁
これまで、1寮あたり20人の利用者さんに対し、人員配置してきたが、新しい施設では1ユニット11名の利用者さんに配置していく。二つの施設の合計で40人の増員になる。
石田 再質問 1ユニット11名の利用者さんに職員は何人配置するのか
→約10人です。
【意見要望】
利用者目線の支援推進検討部会の報告書素案では、「現場によりそう、現場を孤立化させない、組織としてチームで支援すること、組織的対応が必要であること」が述べられ、これは大切な観点と思います。すでにやまゆり園では支援が変わってきているとの報告がされております。今後の県立施設のあり方も答弁では、引き続き検討の場を設けていくこと。その時には自分たちのことを自分たち抜きに決めないでという当事者の方々の意見に真摯に向き合い、当事者の方々も入る検討の場を是非、検討してください。