日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
くらしと平和 希望ある未来へ
石田 和子
ブログ

かながわ水産業活性化指針について【環境農政委員会その3】

2021年10月11日

nougyo15

環境農政局から報告があった上記について、10月1日に質疑した内容です。

質問と答弁は要旨です。会議録ではありません。

【質問1】漁業権について

四方を海に囲まれ変化に富んだ海岸線を持つ日本の漁業は沿岸・沖合を中心に多様な形態で営まれ、豊富な漁業生産と豊かな魚食文化を育んできました。

しかし、近年、我が国の漁業は魚場・資源状況の悪化や漁業従事者の減少・高齢などにより漁獲量は減少、停滞を続けています。

2018年に70年ぶりに漁業法が改正され、水産政策の改革の実施など、水産業を取り巻く情勢が大きく変わったとのことです。

漁業法の施行は2020年度からです。何点か懸念されますので伺います。

1、沿岸・養殖漁業は全体漁獲量が減るなかでも基本的に生産を維持し、資源の減少を多様な生産や技術の開発などの努力で発展させてきたと思います。地域・浜ごとに違った条件で営まれる漁業・養殖業に対する漁業権は、地域に定着した漁業者の優先権を保証することが必要と考えますが見解を伺う

【答弁】

○漁業者の方が漁を行う漁場の利用について「磯は地付き、沖は入会(いりあい)」という基本的な原則が江戸時代から存在する。地元の漁村がその地先の漁場を管理するという考え方。この基本的な原則は漁業法の改正後にあっても変わっておらず、あわび、さざえ、わかめなどの定着性の水産動植物を漁獲の対象とする共同漁業権は、引き続き地元の漁業協同組合にしか免許されない制度となっている。

○また、本県において、養殖を行うための区画漁業権は、漁業協同組合が免許を受け、その組合員が行使を行う形を取っているが、改正された漁業法においてもこの漁業権が有効的に活用されている場合においては、知事は引き続き、地元の漁業組合に対して、免許をしなければならないことになっている。

このように、地域に定着した漁業者の優先権については、保証されている

【質問2】法定の優先順位の廃止などからなる「漁業権制度の見直し」を行うことについて

沿岸漁民や漁協などに優先的に配分してきた養殖・定置漁業の魚業権を地元に頭越しに企業に直接与える道を開き、地元優先のルールが廃止されることへの懸念があると聞くが、沿岸漁民や漁協などの漁業権をどのように守るのか伺う。

【答弁】

○改正前の漁業法においては、漁業権のうち、定置網漁業を行うための低地漁業権と養殖業を行うための区画漁業権について、免許の優先順位が定められており、地元の漁業組合が免許申請した場合には、優先順位を第1位とする内容だったが、漁業法の改正に伴いこの優先順位が廃止された。

○その理由としては、漁場が適切かつ有効に利用されている場合は、免許を受けたものが漁場利用を引き続き確保できるようにする必要があるが、その一方で漁業者の減少、高齢化が進み、利用度が低下した漁場については、協業化や新規参入を含め地域の水産業の発展に寄与するものに免許する仕組みに改める必要があることからこの優先順位を廃止することになったものです。従って、漁業権免許を受けたものが、適切に漁業を営んでいる限り、不当に利用券が失われてしまうことはないと考える。

【質問3資源管理についてです

漁船のトン数制限など漁獲能力の規制や湾・地域や魚種に応じた漁獲時期・漁獲量の規制など漁業者主体の資源管理から、政府が主導して数量を割り当てるやり方を基本にしようとしていると聞いた。企業的漁業に手厚く、小規模漁業者である沿岸漁民には生業を壊すような少量しか割り当てられないという懸念に対して、そのようなことはないのか伺う。  

 また、資源管理は、沿岸漁業者・協同組織の意見を反映させ、沿岸漁民の生業を守ることが必要と思うが見解を伺う。

【答弁】

現在の資源管理制度では、漁獲量の規制が必要な魚種について、国が科学的知見を踏まえて資源評価を行なった上で、県毎に漁獲可能な上限数量を割り当てるもので、都道府県知事や国の水産政策審議会へ意見を反映し設定する仕組みとなっている。

国から割り当てられた漁獲可能な上限数量について、県はその上限数量を上回らないようにするため、漁業者の漁獲量を集計したり操業の停止措置を講じたりしますが、あくまで県全体での枠数量での管理になるので、小規模な操業を行なっている漁業者が少量しか漁獲できないということではない。なお、漁獲可能量の割り当てが本県漁業者に大きな影響を及ぼす恐れがあるときは、国に対して割り当て数量の見直しなどについて働きかけてまいる。

【要望】

漁業権は沿岸漁業や漁協などの漁業権をしっかり守ること。資源管理については沿岸漁業者や共同組織の意見を反映させて生業を守ること、若い人の就業定着支援を是非、強めていただき、県として水産業活性化のために支援を強めていただくことを要望します。

後述

この後、栽培漁業への支援についても質問するつもりで用意していたのですが、時間があと3分くらいしかなくなり、やむなく次回にすることにして、ギリギリで最後の大船フラワーセンターの質問を1問だけしました。

それにしても水産業のことを初めて取り上げました。漁業法の改正のことも初めて知って勉強になりましたが、なにせ、実態と噛み合っているか不安がありました。県政の課題は広くて深いなーと改めて思います。

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