日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
くらしと平和 希望ある未来へ
石田 和子
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リニア中央新幹線は中止を!決算特別委員会で主張(11/9)

2021年11月11日

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選挙中に延期になっていた2020年度決算の質疑が11月2日から早速始まりました。

選挙中は質問こそなかったのですが、大山奈々子議員と2人で、たくさんの資料を読み込んで、行政に聞き取る勉強会を何度か行って、現地の意見もお聞きして臨みました。

2日と5日は大山議員が質問し、9日と11日は私が行いました。9日のリニア中央新幹線の質問は、10日の神奈川新聞に掲載されましたが、掲載は一部でしたので、急ぎ私の質問の主旨を報告します。ただし、中継録画がまだアップされていないので、答弁はメモ程度です。私の主な質問と意見要望を中心に報告します。

はじめに、2020年度の決算額として、

1、受託リニア中央新幹線建設推進事業費(事務費)1億9800余万円、

2、同建設推進事業費2230余万円、3、県内駅整備促進事業費619万円の事業内容を質問しました。

調布市で起こった陥没と空洞と同じシールドトンネル工事。

JR東海は地盤・地質調査の拡充と公表を!

【石田】JR東海は深さ40mのボーリング調査をすべき

  昨年10月、大深度地下工事を行なっていた東京外環道工事により、東京都調布市の住宅地で陥没と3カ所の空洞が発生。「地表に影響を与えない」と言ってきた大深度工事の「神話」は崩れました。以来、リニア新幹線の深さ40mの大深度地下で約16km区間、シールド工事が行われる川崎でも、ルート上や地域住民の不安が広がり、地盤・地質調査の拡充と結果の公表を求めるなど強い要望があがっています。JR東海は100mから200m程度の間隔でボーリング調査を実施しているとのことですが、地下40mまで達しているルート上のボーリング調査は、たった7カ所しかなく、周辺の調査も含めて41カ所、平均で400mに1カ所しかありません。

ルート上において、地下40mまで達するボーリング調査をさらに増やすようJR東海に求めるべきと考えますが伺う。

JRが行なった現地住民への説明会資料によるとボーリング調査については既存の調査273本も含めた件数でした。JR東海は学識者や専門技術者によるシールドトンネル工事部会を作り、施工方法などを協議しているという趣旨の答弁でした。

 

【石田】掘削残土の処分先は?土量と盛り土の高さは?

(既存のボーリング調査の深さは公表されていないことを指摘しておきます。)

豪雨により、盛土が崩落した熱海での大規模な土石流被害など命と安全に関わる事態が発生している。リニア新幹線の掘削工事による残土の県内の発生量及び処分先と土量について概要を伺う。

民間事業に活用として、相模原市の2箇所の砂利採石場跡地に盛土するとのことですが、土量積み上げる盛土の高さは何mか伺う。採石法上、閉山後の知事の事業者への災害防止命令はどのようになっているか伺う。

JR東海が公表している環境影響評価書では県内の想定される発生量は約1440万立方メートルで、受け入れ先が確保されていると想定される土量は約1265万立法メートル。新聞報道によると、相模原緑区鳥屋の車両基地の造成に約360万立法メートル、小倉の変電施設の造成で約30万立法メートルを活用。 公共事業での活用として、横浜港・本牧ふ頭の埋め立て事業で約600万立法メートル、川崎港・東扇島の埋め立て事業で約140万立法メートル。民間事業での活用として相模原市緑区の新土非常口に隣接する砂利採石場跡の埋戻しで約56万立法メートル。同区の大洞非常口に隣接する砂利採取場跡の埋戻して約79万立方メートルとのこと。JR東海は受け入れ先のすべてを公表していない。

採石法上の災害防止命令は相模原市長により2年間とするとの答弁でした。

 

【石田】

採石法上、相模原市長の災害防止命令が及ぶ期間は2年とのこと。2年間とする根拠がわからない。2年後以降の安全が非常に心配。安全の監視、監督を相模原市に求めていただくよう要望する。

 また、盛り土の高さをJRが公表していない。JRは施工者の責任として公表すべきであり、県は、県民の不安に対し、情報をつかむ責任があると思うし、掴んだ時点で公表することを要望する。

横浜市民の水源・道志川の水質は大丈夫か

当該地は、横浜市民の水源である道志川付近に計画されていることから水質への影響の懸念があることから横浜市からJR東海と相模原市に対応を求めたとの報道がありました。その内容とれを受けて両者の対応を伺う。

横浜市からJR東海に対し、土壌・水質検査の徹底。仮置場から小津氏側への建設発生どの流出防止柵の徹底など。JR東海の対応は書き留められず。

相模原市に対しては、水源地域での自然環境や生活環境の保全、条例に基づき処分地管理事業者に管理の徹底を要請。相模原市の対応も書き留められず。

 

【意見要望】

新型コロナ感染症の影響で、2021年3月期のJR東海の連結決算によると最終損益が2,015億円の赤字と聞いている。すでに総工事費は1,5兆円増額され7,04兆円に膨張したと聞いている。今後も工事費の増大は避けられないと言われている。現計画では、JR東海が全額自己負担で整備していくこととしているが、工事費の増大に伴い、今後、県に負担が求められることがないよう指摘しておく。

また、大深度地下法で、40m超の大深度地下でのトンネル工事は、地権者の同意や保証が不要とされている。今回の陥没は「施工管理が不十分だった」と言っていますが、リニア工事で陥没が起きない保障はない。住宅地の地下トンネル工事について、安全確保と地下開発行為の規制、地権者への補償などに関する法令の検討を国に要望していただきたい。

また、リニア新幹線は、普通の新幹線の4倍もの電力を消費すると言われるなど、脱多炭素社会の取り組みに逆行すると考える。さらに、コロナ禍の中で、リモートによる仕事が増えて、高速鉄道を使った出張などのニーズは減っている。東京一極集中を是正する動きもある中で、リニア新幹線を必要とする社会的前提が崩れていると考え、国に見直しを求めるよう要望する。

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