18区市民の会主催「参院選勝利へキックオフ!」
渡辺治先生の講演で目からウロコ
4月29日に行われた「市民と野党のつどい@18区『参院選勝利へキックオフ!』」の集まりで、一橋大学名誉教授の渡辺治さんが「改憲をめぐる新局面と9条を生かした平和への戦略」と題した講演を行いました。
渡辺治先生のお話はいつもわかりやすく、もやが晴れたように納得することができます。
今回、腑に落ちた一つは、日本の核共有論や敵基地攻撃能力を保有することなどの防衛力の抜本強化は、アメリカの強い要請に、政府が約束したことです。
今年の1月7日実施された日米の「2プラス2」で、軍事の抜本的拡大を約束」
「2プラス2」=日本側は外務、防衛大臣、アメリカ側は国務長官、国防長官の会議で、アメリカは日本に対し、対中国の先頭に立つよう強く求めた。中国の脅威に対し、日米が協力して対抗しよう。ミサイルの脅威に対抗するための能力を持つことと、防衛力の抜本的な強化を求められ、軍事を抜本的に拡大することを約束した。それは、専守防衛をひっくり返し、攻撃参加に加わること。まさに日米の役割分担を強化することが合意された。
この後2月24日、ロシアのウクライナ侵略が行われた。2月27日には、安倍元首相による「核共有」論、高市氏ら自民党、維新の会の追随、比較3原則見直し論、「敵基地攻撃能力保有」論が活発化される。
「9条があっても日本を守れないのでは」「9条は無力か?」という人に対し。
戦後、アジアでは朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガニスタン、湾岸戦争が起きた。
しかし、戦後、唯一、日本は一度も戦争に巻き込まれず、平和を維持した。戦争をしなかったのは日本だけだった。それは日本に憲法9条があるから。憲法の制約で集団的自衛権が発動されなかったからである。
ベトナム戦争、湾岸戦争は、自衛隊の派兵を要請されても9条があるので派兵しなかった。
イラク、アフガン戦争には、要請されて送ったけれど、後方支援を行ない、武器を持って戦うことはできなかった。
戦争や侵略は或る日突然おこるものではない。「今にも中国が攻めてくること」はない。
日本が戦争に巻き込まれる危険とは、台湾有事に対し、日本が集団的自衛権を発動することや、尖閣諸島における武力衝突だが、いずれも、今まで防いできたし、これからも防げる。
9条は武力によらない平和を実現するアジアと世界をつくることを政府に義務付けている。
結びに、日本の平和は9条を守ること!
戦後77年に確信を=戦後75年、憲法を守り他国に武力で侵攻せず、侵攻されなかったことに確信を持ち、この方向を強化するのか、それとも改憲と軍事同盟の道に踏み込むのかの岐路に立っている。
日本の平和は、9条を守ること。改憲を許さないこと。敵基地攻撃能力を持たせないこと。9条を使って積極的、能動的に平和外交を行うこと。
改憲と軍事同盟の道に行かないためには、自公政権を変え、共闘による政権交代しかない。共闘をめぐるジグザグは避けられないが、この道しかない。 共闘の再建・強化は市民の草の根の闘いから。
4月6日、市民連合や「2022参院選に向けた主要な政策課題についての市民連合の考え方」を発表した。
改憲反対の新署名を手に、署名のとりくみと並んで学習運動を、今度の参院選、平和と憲法を大きな争点に。改憲勢力3分の2を許さない選挙に。
9条は世界の平和ブランドであること。これを、改憲し、戦争ができる国へ行くわけにはいかないと強く思いました。