7/21、第2回定例会閉会、女性行政の充実を求めて懇談、女性活躍推進議員連 盟総会とシンポジウム
7月21日、第2回定例会が閉会しました。
最終日、議案の採決、請願の採決、意見書案の採決、決議案の採決が行われました。提案されていた24議案中、わが議員団は20議案に賛成、4議案に反対しました。私が議案の反対討論に立ちました。以下が討論です。請願・陳情の審査結果と意見書の採決結果は県議団のホームページにアップされていますので、是非ご覧ください。
【反対討論】
私は、日本共産党神奈川県会議員団を代表して、本定例会に提案された24議案のうち、4議案に反対する立場から討論を行います。
定県第44号議案・令和4年度神奈川県県営住宅事業会計補正予算(第1号)についてです。
この補正は、PFI方式により建て替える、上溝団地、追浜第1団地について、落札事業者の提案を踏まえ、事業を前倒しで行うために金額を追加するものです。
本年第1回定例会の時にも述べていますが、私たちは、県営住宅の建て替えについては、直営で行うべきと考えます。そもそも、PFI事業は、従来の公共分野の仕事を広く民間の事業に変えていくものであり、公共の役割が後退するおそれがあります。また、余剰地の活用などについても、県として住民の意見を聞きながら行えば、できることでありますので、県民にとって大事な公共施設の整備については、県が責任を持って行うべきと考えますので、反対します。
次は、定県第47号議案・住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例についてです
私たちは、個人情報データの漏洩が心配される住民基本台帳ネットワークの中止を求めています。その適用の範囲を拡大しようとすることは容認できませんので、反対です。
次は、定県第57号議案・神奈川県立の高等学校等の設置に関する条例の一部を改正する条例についてです。
県立高校改革実施計画(二期)に基づき、6校の再編統合を行い、県立高等学校3校を新校として、設置することに伴う改正です。
6校はいずれも、神奈川県が適正規模とする一学年6~8クラスを擁する規模の学校であり、地域からも愛着を持たれて来た学校です。コロナ禍の下で少人数授業の価値が見直されました。また、少人数学級実施の流れなどもあり、学校現場はこれからも様々な対応を求められます。それらにも対応できるものとして、仮に小規模校になったとしても、拠点として存在することは必要です。軽々に統廃合すべきではないと考えますので、反対です。
次は、定県第67号議案・地方独立行政法人神奈川県立病院機構中期計画の変更の認可についてです。令和4年度診療報酬の改定において、紹介状なしの受診の定額負担が、1件につき5000円から7000円に、再診が2500円から3000円に改定する議案です。2021年度、(県立)足柄上病院では33、6%の方が紹介状なしで来院されたとのことです。経済的に困難な方が、排除されかねず、窓口の定額負担が増額されることは賛成できません。
以上、定県第44号、定県第47号、定県第57号、定県第67号議案に反対し、そのほかの議案には賛成を表明し、討論を終わります。
【女性団体との懇談】
議会閉会後、色々な分野で女性のジェンダー平等を掲げて運動する皆さんと意見交換しました。世界経済フォーラムが各国の男女平等を指数で示した2022年度の「ジェンダー平等指数」は146カ国中日本は116位、主要47カ国の中で最下位が続いています。中でも経済分野は121位、政治分野は139位と際立って遅れています。
コロナ禍での女性の状況は、若年女性の自殺者の増加、DV被害の増加、さらなる少子化と高齢化に伴い高齢女性の労災などの増加が目立っています。コロナ禍で見えてきた女性の不利な状況は、長い間放置されてきた問題が顕在化したものです。
農民連の女性は農業を女性が支えている実態がある中で、農業を支えながら家事も育児も行なっている実態があり、女性支援を県の男女参画担当課がどう考えているか意見交換したい。
建設関係の女性の方は、男女共同参画センターが少ない。東京都はパートタイムの実態調査をやったと聞くが、県はやっていないのでしっかりやってもらいたい。
公務労働に非正規職員の割合が高くなっている。雇用期間が短期で3ヶ月間、コロナが減少するかもしれないからという理由。応援職員を出している現場は残業だったり、住民の県民サービスを縮小している。正規の専門職種を増員してほしい。
共生社会推進本部室になり昇格?したと言われているが、男女共同参画推進プランの案の段階で、説明や意見交換させてほしいと申し出ても出てきてくれない。調整する意識が感じられない。
女性による相談会を計画している。DV支援をしている団体も加わる予定。
そのほか、かなテラスの女性センターとしての機能について、生理用品の設置について、産後母子ケアの取り組みについてなどが出され、時間ギリギリまで議論が続きました。続けて、急ぎ女性活躍推進議連(会長小川久仁子議員)の総会へすでに総会が始まっていました。総会に続き、17時半からシンポジウムです。
【女性活躍推進議連のシンポジウム】
お茶の水女子大学名誉教授の戒能民江先生の基調講演を受けました。
2022年5月、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」=女性支援法が全会一致で成立しました。
いわゆる売春防止法から、女性支援法へと法律名も変わったこの間の取り組みと経緯のなかで、神奈川県議会が、平成27年7月13日に、国に提出した意見書「売春防止法の抜本的な改正または新たな法整備を求める意見書」が大きなきっかけとなったと評価されました。新法の内容と課題などをわかりやすく講演していただきました。
女性支援法は、売春を違法とする売春防止法は存続させるが、女性への補導処分や保護更生を定めた条文をまるごと削除する内容を含み、66年ぶりの抜本改正となる。さらに新法で、貧困や性被害に直面する女性らを「困難女性」と定義し、支援対象と明記。その尊厳を守る規定を盛り込んだ。
人権と男女平等の実現に向けて公的機関と民間の共同による切れ目のない支援を目指し、その実現のため、自治体での女性支援センターの設立が求められている。
ただ残された課題も大きい。売春女性の勧誘などを処罰の対象とする売春防止法5条はまだ残されている。女性支援に見合う予算措置の保障も重要です。
私は市会議員時代、DV被害で苦しむ方々の相談を受け、市議会でも何度もこの問題は取り上げてきましたが、県議会に来て2度DV被害者支援を行なっている民間シェルターへの運営支援を求める質問をしました。(2019年第2回定例会、2020年第1回定例会)
困難な女性の支援にあたる女性職員が、1年有期の「会計年度職員」など専門性の高さに見合わない不安定雇用と低待遇に置かれています。
今後の女性支援のあり方について、女性支援法が改正になり、この件について、新聞報道されるようになっていたので、興味深く新聞切り抜きをしていましたが、戒能先生のお話は非常にわかりやすくて課題も明らかになり、勉強になりました。
知事、副知事をはじめ県庁から幹部職員が何人も来場し、講演の内容を共有しました。知事は挨拶の中で、今日は大変貴重なお話を聞いた。県としても頑張ると決意表明されました。
今日は1日が盛りだくさんで、駆け足で過ぎました。