日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
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石田 和子
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保育所の実地監査を書面にしてはならないー代表質問その2

2022年9月15日

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9月13日に行った代表質問の報告その2(要旨)です。(音声の書き起こしなので、議事録ではありません)

【石田質問】保育所の実地監査についてです

保育施設は、乳幼児が長時間生活する成長にとって大切な場所です。保育所には、原則、都道府県による年1回の実地監査が義務付けられています。ところが、厚生労働省は実地監査を義務付ける児童福祉法施行令を改正し、本年4月から実地要件を削除し、書面やリモートを可能とすることを提示しました。しかし、パブリックコメントでは反対意見が多数にのぼり、厚生労働省は本年4月からの実施を延期しました。

その後、実地監査を原則としつつ、天災などで実施できない場合や、前年度の監査で問題ないケースなどは実施しなくて良いとする考え方を示しましたが、実地監査をしなくて良いという根拠にはなりません。

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パブコメの意見には実地監査の重要性を訴える意見が多数を占めました。

実地監査は施設の匂いや汚れ、整理整頓の欠如、2方向避難路が確保されているか、給食が献立通りに調理されているか、保育指針に基づく保育がされているかの視点が重要であり、子どもや職員の表情など、現場で得られる情報は書類の比ではありません。乳児は、何か問題が起きても誰かに伝える術がないのです。

7月には、大手保育企業が都内の16の施設で保育士の人数を水増しして報告し、過大な運営費を不正受給した事件が発覚しました。9月5日、送迎バスに置き去りにされて、園児がなくなるという痛ましい悲劇がまた起こりました散歩先の公園に置き去り事案も増加しています。確認や点検という基本がおざなりになっている背景に、保育現場の深刻な人手不足を指摘する声もあります。

子どもの命と安全をどう守るのかが問われており、実際の職員の配置が適切かなど現地監査が大変重要です。

新型コロナウイルス感染症が発生する前年の2019年度の認可保育所の実地監査の実施率は74.4%、認可外は65.3%、幼保連携型認定こども園はさらに低い実施率です。

〈そこで知事に伺います〉

① 実地監査の重要性の認識と、今後、実施率100%を目指すべきと考えますが見解を伺います。

②また保育所の増加に対応し、現場の保育の実態を見極める専門性と監査体制が重要ですが、どのように体制を拡充していくのか伺います。

【知事の答弁】保育所の実地監査についてです。

保育所に対する実地監査は児童が適切な環境のもとで心身ともに健やかに育成されることを保証する重要な役割を担っているものと認識しており本来実施率100%とすべきと考えています。

しかしながら近年待機児童対策による保育所の整備が進み 施設数が増加している他、新型コロナウイルス感染症により監査の延期を余儀なくされるなど実地監査の計画的な実施に影響が生じています。

そこで県では、子どもの命に関わる施設整備や安全対策は 現地で重点的に確認し管理面などは書面により後ほど本庁で確認するなど工夫を凝らしながら現地を効率的に回ることとしています。

こうした実施方法の工夫とともに、保育士資格を有する職員が必ず現地に赴いて実態を確認するなど、専門性も確保しながら現行体制によりしっかりと実地監査を実施していきます。

さらに国では、計画的な実地監査の実施に向けて例外的に現地に赴かない方法も検討していますので、県はこうした国の動きを注視しながら引き続き施設の適正な運営と保育の質の確保に取り組んで参ります。

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後述

実地監査の重要性の認識は答弁で確認できました。ただ、最後に国の動きを注視しながらと言っているので、私としては現行の実地監査をしっかりと続けることを要望したかったのですが、時間がなくて要望を言えませんでした。

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