こども家庭庁で保育はどうなる-中西新太郎先生の講演にズーム参加
横浜市立大学名誉教授の中西新太郎先生の講演を聞きました。とてもわかりやすくお話ししてくださり、保育の現場にデータ駆動型保育が進んでいることに、私は寝込んでしまいそうなほど衝撃を受けました。
子どもに関するあらゆるデータが収集され、子どもや家庭を取り巻く状況に関するデータ、子どもや家庭を支援する機関や団体のデータ、各種統計など様々なデータを収集し活用するということです。
子ども家庭庁は子どもの最善の利益を優先することを基本とすると書いていますが、驚くことに、保育士の配置基準の改善への認識を全く示していないのです。配置基準を75年も放っておくなと言いたい。保育士の休憩時間がなかなか取れない、保育士を増やして負担軽減をしてほしいの願いには、正面から応えず、例えば、お昼寝中の保育室にセンサーをつけるなどの対処療法のやり方しかしない。
子どものありのままを受け止め、子どもに寄り添い、肯定感を育む保育、子どもの持つ可能性を豊かに発展させたいという気持ちで保育をしてきた人間としては、AIが判断し、データに振り回される保育はごめんです。私は、子どもの表情や目の輝きにしっかりと向き合う保育を心がけてきました。これからの保育もそうであってほしいと思っています。
政府は、データを駆使して子どもの行動を予測し、分析する保育で、どんな子どもを育てようとしているのか。
子どもの権利を保障するために何をしなくてはいけないのか示されていない子ども家庭庁であり、子ども基本法と思います。
子どもや保護者の皆さんの抱える困難をどうやって解決していくのか、子どもの権利を尊重する保育をどう守り作っていくのか、それを阻む政治を変えていくことが必要です。現場の皆さんの努力が報われる保育現場にするために今こそ声を上げていきましょう。