「個人カードと健康保険証の一体化でなく、健康保険証の存続を求める要請」に同席
10月13日、河野デジタル大臣が突然、現行の健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードと健康保険証を一体化すると発表しました。民医連がこれに対して県に要請を行いました。要請は1点、「政府に対して、個人番号カードと健康保険証の一体化、健康保険証の廃止ではなく、現行どおり、健康保険証を使えるように存続を求めること」 です。
法律はマイナンバーカードの取得は任意であったはずです。しかし、健康保険証を廃止しその代わりにマイナ保険証にするというのは事実上の強制であり法令違反です。
この間、政府は「マイナポイント事業」を展開し、市町村ごとに取得率を公表し、普及状況に応じて地方交付税や交付金の配分額に差をつける方針を示し、個人番号カードの取得を進めてきました。しかし交付率は全国民の約50%にすぎません。進まないのは個人情報漏洩の心配やプライバシー侵害につながる危険があるからです。
マイナ保険証を活用するためには医療機関側もカードリーダーや専用のパソコンなどシステム構築をしなければなりませんが、対応ができている医療機関は全体の2割と言われています。「なぜ現行の健康保険証がダメなのか」「マイナ保険証のメリットが感じられない」という声もあります。
懇談の中で、さらに、高齢者がマイナ保健省を紛失した場合の個人情報の漏洩が非常に心配される。特養ホームの入居者は、受診の場合、マイナ保険証を施設職員が預かることになるが、個人情報に関わるものを施設側が預かっていいのかと心配している。
日本は世界に誇る国民皆保険制度があるが、これが崩れるおそれがある。患者さんが迷惑し、医療側も対応に苦労しもっと混乱するだろうと。
個人院を経営する保険医協会は調査を行なったが7割が反対だったと聞く。医師会も反対が多いと聞いている。横浜市とも懇談したが、市としても頭を抱えていると聞いた。横須賀市では拙速に進めるなという市民の署名活動が始まった。
自治体も後期高齢者医療保険制度の負担が1割から2割になり、自治体の事務負担が生じたばかりなのに、マイナ保健省にすることで、さらに大きな負担が生じるのではないか。など様々な意見が出ました。
県からは、これまで県民から色々な意見が寄せられている。保険者である市町村に対して、県として、どのような声が寄せられているかなどのアンケートを実施したいと準備しているとの回答がありました。準備でき次第、始めるとのことでした。その上で県民の声を大切にしながら県の対応を検討していくということでした。
法令違反を犯すことが平気で行われようとする政治に異議を唱え、保険証の存続を強く求めたいと思います。