ジェンダー主流化の推進、同性パートナーシップ制度を県が導入をー一般質問その2
2月22日に行った一般質問の報告です。県は今議会に男女共同参画プラン(第5次)を議案として提出しています。先の12月議会に提案された改定案について、厚生常任委員会で質疑を行い、ブログで報告しました。今回は推進体制への地jの見解を聞きました。また、県として同性パートナーシップ制度を創設するよう知事に質問しました。なお、知事答弁はテープ起こしですので、会議録ではありません。
ジェンダー平等社会の実現に向けた施策の推進についてです。
【石田質問】
県は、「かながわ男女共同参画推進プラン(第5次)」の基本目標を、「すべての人が個性と力を発揮できるジェンダー平等社会へ」とし、その施策の基本方向としてジェンダーの視点をしっかり持って、すべての政策・事業を企画立案していく=ジェンダー主流化を位置付けたことは評価します。
2022年7月の日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中116位で、10年前より順位を下げています。
2021年の県民ニーズ調査では、「男女共同参画社会実現のために力を入れるべき施策」の回答で、一番多かったのが「保育・介護の施設やサービスの充実」、2位が「働き方の見直し」、3位が「出産、育児や介護などにより離職した人に対する再就職などの支援」、4位は「貧困、高齢、障がいなどにより、困難を抱えた人が安心して暮らせる環境の整備」でした。
私は第3回定例会の厚生常任委員会で、ジェンダー平等、男女共同参画社会の実現に向けて、県民ニーズ調査で示された、各局にまたがる課題の解決のために共生社会推進本部が推進役としてどのような役割を担っていくのかについて質疑しました。
【そこで、共生推進本部のトップである知事に伺います】
●ジェンダー平等社会の実現に向けて、保育や介護サービスの充実、男女の賃金格差の是正や正規雇用化、困難を抱えた人への支援充実などの課題解決に向けて、ジェンダーの視点をしっかりもってすべての政策・事業を企画立案していくジェンダー主流化の立場から、どのような姿勢で施策を推進するのか見解を伺います。
【知事の答弁】
はじめにジェンダーの視点をあらゆる政策計画に反映させることについてお尋ねがありました。
まずジェンダー平等社会の実現に向けた政策の推進についてです。
ジェンダー平等については、SDGsのゴール5にあげられ県としても男らしさ女らしさを強制されず、それぞれが個々人の力に見合った働き方や生き方を実現でき生きづらさが解消されたジェンダー平等社会を目指していきたいと考えています。
そこで神奈川男女共同参画推進プラン改定案では基本目標にすべての人が個性と力を発揮できるジェンダー平等社会へ、を掲げ、全ての施策や事業をジェンダーの視点をもって企画立案する方向性を示しました。
このジェンダー平等の実現にはまずは県職員が率先してジェンダー平等への理解を深めることが重要です。今後職員研修等を通じてこの考え方を浸透させていきます。
また県の審議会等における女性委員の登用を押し進め政策形成の場にジェンダーの視点に立った幅広い意見を反映できるようにしていきます。今後私が本部長である共生推進本部を中心にジェンダー平等社会の実現に向けて積極的に取り組んで参ります。
【石田質問】
次に②全ての個人の人権を尊重する同性パートナーシップ制度の創設についてです。
共産党県議団は同性パートナーシップ制度の実現を繰り返し求めてきました。2023年1月時点で、全国でパートナーシップ制度を導入している自治体は255自治体に広がっています。県レベルでは、青森県、秋田県、茨城県、東京都、大阪府、佐賀県などの10都府県が導入しています。茨城県は、栃木、群馬の北関東3県の連結協定をはじめ、佐賀県、三重県とも連携協定を結んでいます。
佐賀県の担当課に導入を決めた理由をお聞きしたところ、一人ひとりが多様な特性や個性を理解しお互いに認め合え、誰もが暮らしやすい佐賀県を目指す一環として取り組んできた。東京都では制度導入のメリットは、都民の方々の理解促進になること。当事者の方々の困りごとの軽減になるとのことです。
本県がパートナーシップ制度を導入すれば、パートナーシップ関係にあるお二人からの宣誓と届出を受理したことを証明することで、例えば県立病院での手術同意を家族同様に認められる可能性が広がります。
また、本県は「かながわ人権施策推進指針」に、様々な性のあり方について理解を深めることで、あらゆる場面において、性の多様性が尊重され、誰もが自分らしく生きられる社会の実現を目指すと謳い、交流会や相談事業、企業への研修、出前講座などの事業に取り組んでいます。県がパートナーシップ制度を導入することによって、より啓発が進み、県内自治体、民間事業者とも連携・協力が進むなど大変意義あることと思います。
【そこで知事に伺います】
●同性パートナーシップ制度をどう考えているのか知事の見解を伺います。
また、全ての個人が尊重されるべき人権尊重の立場から広域自治体として県が同性パートナーシップ制度の実施に向けて取り組むべきと考えますが見解を伺います。
【知事答弁】
同性パートナーシップ制度の創設についてです。同性カップルなどの性的マイノリティの方々は周囲の無理解や偏見から様々な悩みや苦しみを抱えており性の多様性を尊重していくことが重要です
。同性カップルであるがゆえに直面する困難としてパートナーが入院した際に医師から治療の説明が受けられない、不動産契約等で条件が合わず住居を借りられないというケースがあると承知しています。 パートナーシップ制度はこうした問題を乗り越え同棲カップルの方々にとって暮らしやすい環境づくりにつながる有効な制度であると認識しています。
県内では令和5年1月時点で 28自治体がパートナーシップ制度を導入しており県内人口に対するカバー率は 96.7%となっています。県としてはこの制度は住民生活に最も身近であり住民登録や戸籍の事務を行う市町村で行われることが相応しいと考えており全市町村が参加する性的マイノリティ支援に係る県市町村連絡会議を開催し導入の後押しをしてきました。
今後も未導入自治体へのヒアリングや導入に向けた調整など引き続き市町村への支援を丁寧に行ってまいります。
質問を終えて
知事は、同性パートナーシップ制度の意義は認めたものの、県として創設は考えていないとの答弁でした。この質問の2日前、茨城県の大井川知事、千葉県の熊谷知事ら、全国23県の知事が性の多様性が尊重される社会の実現に向けてあらゆる政策分野における取り組みの促進を求める緊急共同声明を発表しました。
また、山梨県知事は、一人一人の多様性を前提とした選択肢を増やしていくことが重要として、来年度中の同性パートナーシップ制度導入を見据え、検討を進めると所信表明で表明しました。
担当課が未整備美の5自治体に対して、一生懸命働きかけ、前に進む事は期待しますが、神奈川県としてもぜひ導入するよう求めていきたいですね。