加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を!一般質問その6
【石田質問】
高齢の方々から聞こえが悪くなって認知症が心配なので補聴器をつけたいが、平均購入額は約15万円、年金暮らしではとても買えないという声をたくさん聞いています。
2020年のアルツハイマー病協会国際会議では「予防可能な因子の中で難聴は認知症の最も大きなリスク要因である」と指摘されています。難聴によって脳に入ってくる情報が少なくなることが脳の機能低下につながり、鬱病や認知症につながると指摘されています。
2019年政府が決定した「認知症施策推進大綱」でも、難聴は認知症の危険性を高める可能性がある「危険因子」であることが明確に述べられております。
また、国立長寿医療研究センターのチームは補聴器をうまく使えば認知機能が弱まるのを抑制できる可能性を示したと昨年1月21日付高知新聞は報じています。
WHOでは中等度、41デシベルから補聴器をつけることを推奨しています。そのままにしておくと音の認識が保てず認識できない音が増えてしまうという理由からです。補聴器の購入費助成を行う自治体は広がり続け、今年度から助成を始めた相模原市は、補聴器の使用で、高齢者の社会参加や介護予防を促進するのが目的といいます。
また、昨年度、補聴器相談医が必要と診断すれば医療費控除の対象になることなどの周知をわが党の大山議員が求めました
【そこで知事に伺います】
●高齢者の認知症予防、社会参加や介護予防の促進は、知事が推進している未病改善につながる取り組みであると考えます。
まず、第1段階として、住民税非課税世帯の難聴者への補聴器補助制度を創設すべきと考えますが見解を伺います。
また、認定補聴器技能者や補聴器相談医に関する情報を県民に適切に提供する仕組みが必要と考えますが見解を伺います。
【知事の答弁】
県ではこれまで国の制度に基づき障がい者として認定された高度難聴者を対象に補聴器の購入にかかる費用の一部を負担してきました。高度難聴者に該当
せず住民税非課税世帯の高齢者の補聴器購入への補助制度の創設については限りある財源を効果的に活用する観点から認知機能への影響について十分なエビデンスが必要と認識しています。
現在国において高齢者の補聴器の利用による認知機能への影響を検証する研究が行われており、県はこうした国の研究や補助制度の動向を注視しているところでありますので県独自の補助を実施することは考えていません。
また補聴器は購入後も一人一人の状態に合わせた細やかな調整が必要であり補聴器相談医や認定補聴器技能者が 適切に関与することが大切です。そこで県では公益財団法人が公表しているこうした資格者等に関する情報を県のホームページで県民の皆様に提供しています。さらに補聴器の購入に要する経費が医療費控除の対象となる場合があることも併せてお伝えしており、今後も必要な情報を適切に発信してまいります。私からの答弁は以上です。
要望しようと考えていましたが、質問時間がなくなってしまい以下要望できませんでした。
認知機能への影響について十分なエビデンスが必要ということですが、先に述べたようにアルツハイマー病協会国際会議などいくつかの機関で危険因子であるとの発表はすでにされています。
視点を広げて、高齢者が安心して暮らせるために、社会参加や介護予防の観点から考えることが必要と思います。是非、高齢者の難聴者への補聴器補助の検討を要望します