神奈川県聴覚障害者福祉センターに伺いました
8月29日県議団として藤沢市にある神奈川県聴覚障害者福祉センターに伺い、とても勉強になりました。昭和55年に京都府に次いで、全国で2番目に設置されたとのこと。当事者の方がたの強い希望で県に頼んで作ってもらった、仲間をつくる拠点でもあり、お城のような存在であるとのことでした。
視察のきっかけは、同センターが手話通訳者・要約筆記者の養成や派遣の事業、コミュニケーション教室、聴覚障害児の指導などのほか、相談事業として聴力検査・補聴器適合検査を行なっていると共産党前県議の加藤なをこさんからお聞きしたことからです。
赤ちゃんからお年寄りまで、聴力検査・補聴器適合検査を行い、聴力検査の結果をもとに、補聴器の貸し出しを行い、ご家庭などの日常生活で試聴して、機種の選定、調整を行うということでした。この機能をになっていると聞いてさすが、県立の施設とおもいました。
乳幼児の時から難聴とわかったら適切な指導を始めることが大切で両親と一緒に考えながら指導を行っているとのこと。
また、加齢性難聴の方の相談も行っているが、子供の相談と大人の相談それぞれ、言語聴覚士と障がい当事者の方の2人体制で相談にのっていますが、お一人の相談に1時間半ぐらいは本来必要なところ、今はフル稼働で1日マックス10人、1時間半取れないことが多い。予約は1ヶ月先になるとのことです。藤沢市にありますが広い県域から予約が入るとのことです。
聴力検査をしながら、機種の適合を行い、試しのための貸出しをおこなっているとのことです。こうしたことがとても大切で、こうした経過を取らずに購入したけど合わないというケースがとても多いということです。なかなかあわないとせっかく買っても使っていないという方の話を私も聞いたことがあります。
聞こえが悪くなるとコミュニケーションを取ろうとしなくなり、そのことから認知症になる確率が高くなると言われています。公的な機関が担う役割は大きいと思います。今は横浜市と川崎市が独自に聴覚障害者の情報文化センターを持っていますが、こうした機能があるといいと思いましたし、もっと箇所数が必要と思いました。
手話通訳者を目指す方のための講習会、文字で情報を伝える要約筆記者の講習会、そして派遣事業も行っています。ただ、養成には予算がかかりますが減額されているところもあるとのこと。
また、聴覚障害の方と会話ができる手話奉仕員の養成は市町村が行なっているが、手話通訳者が足りなくて、手話奉仕員まで派遣しているところもあるとのことです。
行政の窓口や、病院などにこうした専門職の方の配置が必要です。
そして最後に指定管理施設のことを。非正規職員含めて26人配置されていますが、指定管理料の削減で管理職を一人減らしたとのこと。また、24時間体制の警備員を配置していましたが機械警備に変えたとのことでした。人件費を削減せざるを得なかったとのことです。
子どもの相談を受ける体制、中途難聴者の方の相談など週2回相談を受けているが業務を担いきれない実態があるとお聞きしました。ニーズに応えるには、手話通訳者や要約筆記者など情報保障者の養成と派遣を行う体制と予算が必要だとおもいました。
「共に生きる神奈川」のために、こうしたところにこそ予算の増額をすべきです。