県立の障がい者施設の指定管理制度移行について意見発表
県議会では、常任委員会において、各委員の質疑が全員終わった後、意見発表を行います。今回、いくつかの障害者施設について、県が報告した指定管理方針について以下のように意見発表しました。
今議会では、令和6年度まで津久井やまゆり園の指定管理者だった「かながわ共同会」の指定管理期間を短縮し、指定管理者を公募で再選定する方針が報告されました。
また、直営として運営されていた「さがみ緑風苑」を指定管理する方向性が示されるとともに、ライトセンター、聴覚障害者福祉センター、みうら白鳥園の指定管理期間が令和2年度末で終了するにともない次期の指定管理者の選定基準が示されました。次々と指定管理制度になり、さがみ緑風園が指定管理になれば、障害者施設の直営は中井やまゆり園だけとなります。
障害福祉はお一人お一人の障害特性をよく理解するとともに、その人にしっかり寄り添って個々に応じた支援を行なっていくことで信頼関係が築かれていくと思います。まさに障がい児者の福祉現場は継続性と専門性が求められます。
指定管理者制度は経費の節減とサービス向上が求められます。
福祉現場の人件費は、6割以上を占めるといわれています。経費の節減が求められれば、この人件費を削らざるを得ません。人材の確保や働き続けることが困難にならざるを得ないという実態を伺っています。
県立として担う役割や機能を長年果たしてきた県立の障害者施設を、指定管理者に渡すことは現場をよく知る職員の経験と知見を今後の施策に生かしきれなくなると思います。マンパワーをしっかり守ることがこれからの新しい障害者福祉の政策に反映させる上で重要です。障害者福祉施設に指定管理制度はなじまないということを主張しておきます。
意思決定支援についてですが、障害のある方を深く理解し、何を望まれるかがわかる関係性を築くことが求められます。厚労省のガイドラインは、本人、事業者、家族、成年後見人の方、教育や医療関係者、行政の諸機関など、障害者に関わる多くの人々にも意思決定支援への参加が促されています。体制をとることと高い専門性と、より深く結びつく信頼関係を築くには継続しての関わりが重要です。是非県がしっかりと支え支援することを求めておきます。
さがみ緑風園の、検討委員会の報告書では、今後の方向性として、重度障害者の地域生活を継続するための拠点施説として機能するべき」と示されています。だとするならば、通所機能を廃止するのではなく、障害のある方、家族、地域支援をしている事業者、地域の皆さんのニーズを把握して例えば相談支援機能などを付加するなどして通所機能を残すことを求めます。
(なお、今議会で、神奈川県立病院機構中期目標についての報告がありましたので意見発表で触れました)
神奈川県立病院機構中期目標に掲げられている機能を果たすためには医師、看護師、医療の専門職種の人員体制をしっかり図ることを求めておきます。精神医療センターについては、(質疑させていただき、前向きの答弁を頂きましたが)是非、労災指定病院の申請をして頂くようお願いします。