日本共産党
前神奈川県議会議員

石田 和子

いしだ かずこ
くらしと平和 希望ある未来へ
石田 和子
ブログ

川崎市立井田病院の機能存続は市民の願い、厚労省の要請に対する病院局の見解を伺う

2020年2月6日

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昨年の9月、厚労省は公立・公的病院の再編統合を検討するよう要請する病院として、全国424病院を突然公表しました。神奈川県内では10病院、川崎市では井田病院の名前が上がりました。川崎市は人口がこの間増え続けました。中でも井田病院のある中原区は急増、隣の高津区も次に増えてきた区です。この発表に、地域の皆さんから不安の声が寄せられていました。

命に関わる医療について、厚労省が地域の実態をみないでこれらを推し進めてはならないと考えます。厚労省は2025年における医療の供給体制のあるべき姿、入院できる病床数を各地で管理する計画である地域医療構想の実現を急ぎたいとしてリストの公表に至ったのではないかと言われています。そこで県議団として5日、川崎市病院局に伺い、担当課長から市の見解を伺いました。

既に実施した取組として、

2016年度に急性期病床45床を回復期へ転換し、地域包括ケア病棟を整備

2017年度に脳神経科外科および呼吸器外科入院診療の川崎病院への集約化。高度の専門性が求められる脳神経外科医の確保の観点から川崎病院に集約化したとのことですが、外来は引き続き当院で、重篤患者は川崎病院で診療しているとのことです。

2019年7月に在宅療養後方支援病院の届出をした。24時間連携として、地域の400近くの医療機関と連携を行なってきた。在宅医療推進協議会の中で顔の見える関係性を大切に地域包括ケアに取組んでいくとのことです。

地域医療のニーズを踏まえ担っている機能として

① 救急告示病院として、特に後期高齢者を中心に誤嚥性肺炎や尿路感染症など、一般的に入院期間が長期化しやすく採算が取りにくいとされる患者の積極的な受け入れ

② 地域がん診療連携拠点病院として、同一圏にある他の拠点病院との役割分担と相互連携のもと、緩和ケア医療や在宅医との24時間連携、ロボット支援手術の導入など、地域のがん医療水準の向上に貢献。特に緩和ケアで井田病院にお世話になってとても感謝しているという家族のお話を私は何人からもお聞きしています。

③ 市内唯一の結核病床(40床)を有し、横浜圏からの患者受け入れも含めて結核患者への透析医療にも対応している。

④ 災害協力病院として、横浜市も含む地域の医療機関との合同防災訓練などに積極的に取り組み、昨年の台風19号の際には高台に立地する水害に強い地の利を生かした災害医療機能を発揮したとのこと。今後も水害被害が心配される中、地の利を生かした災害時に対応を担う井田病院の役割は重要です。

⑤ 基幹型臨床研修病院あるいは新専門医制度の基幹施設等として、多くの初期臨床研修医や専攻医を受け入れ、地域医療の水準に貢献している。

地域に根ざした必要な医療を担い、地域の中核病院として重要な役割を担っています。病院局として現時点では現状の機能を維持することとして、具体的な対応方針の見直しは行わないとお聞きし安心しました。今後、県の地域医療構想調整会議において説明するとのことです。川崎市議会では、地域で重要な役割を担っている市立井田病院を含む公立・公的病院の統合再編は見直すよう求める国への意見書を全会派の賛成で可決しています。大きな後押しになると思います。

厚労省はこの公表について、国民から大きな不安や反対が寄せられたことから、医療機関に何かを強制するものではない。自治体の声も踏まえて対応を考えると言わざるを得ませんでした。神奈川県も地域医療を担うそれぞれの実情は踏まえたいとしています。その姿勢を貫き、県民の医療は充実こそすれ、削減をしないよう、そして医師、看護師の確保、医療現場の労働環境をよくしていくことが求められていると思います。

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