DV被害者支援に取り組む民間シェルターへの運営補助の増額を-厚生常任委員会の質問(3月4日)
国が新年度「DV被害者等セーフティネット強化支援パイロット事業」2億5千万円を計上。
国は、この事業について、DV被害者などへの支援を行なっている民間シェルターは重要な役割をになっているが、税制面、人的基盤とも厳しい状況にあり、今後、その存続が困難になるとの指摘もあり、DV被害者が自立し、安心安全に過ごせるよう、民間シェルターの取組み促進を通じて、地域社会におけるセーフティーネット機能を強化すると説明しています。2〜3年前から事業の検討がされていると言われてきましたがやっと立ち上がったという感じです。
私は、かねてからDV被害者を守る一時保護、民間団体の取組みに対する支援体制の強化を求めてきました。新年度県の予算案に配偶者等暴力対策事業費として9500万円余が計上されこの内容について、3月4日質疑しました。
質問の後の →は答弁要旨です
(答弁を書き留められなかったところは後日、要確認です)
質問
1)DV被害者の緊急一時保護施設である民間シェルターは、加害者の危険から被害者の安全を確保する欠かせない施設です。DV防止法は都道府県の責務と定め、神奈川県の「DV防止・被害者支援プラン」では、市町村、民間団体と連携して取り組むとしています。まず、県内の事業所数及びこの事業の内容について伺います →事業所数は5カ所、 事業として被害者の一時保護、同伴児童へのケアおよび被害者の自立支援事業を実施するほか、民間団体が実施する先進的な取り組みに対する補助を拡充する。と答弁しました
2)先進的な取り組みとはどのような取り組みか伺います。
それは現状のスタッフ体制でも可能と考えるのか伺います。
→先進的な取り組みとして、課長からいくつか答弁されましたが、退所者のアウトリーチ、受け入れ体制整備、心理的ケアや同伴児童の相談支援を行う専門職配置に要する人件費などです。基本的にはすでに行なっている取り組みもあるので現場のスタッフ体制で可能と考える と答弁しました
3)先進的な取り組みが行われることは支援の充実に繋がると思います。
しかし、現状でも事業者から、運営支援を求める要望があると思います。
川崎で、18年間被害者支援をになってきた民間シェルターが、行政に運営支援を何度も相談しましたが2019年度、閉鎖を余儀なくされたように、現状でも行政の支援のあり方が大きく問われています。どのように把握しているのか伺います。新年度の増額はそうした要望に応えられると考えるか伺います。
→意見交換会や団体へのヒアリングで把握している。民間シェルターでは、一時保護件数の減少に伴う収入の減少や、財政的な理由から、新たなスタッフや専門職の人材確保が難しいといった課題を抱えていると承知している。
被害者等の支援にあたり、DV被害者の同伴児童の心理的ケアを行うスタッフや専門職の配置をしたい、また、防犯を強化したいという声も伺っているところ。
今回の国の補助金の活用は、民間シェルターが、被害者等の支援充実の観点からこれまで希望していた取り組みの実現にも繋がると考えている。
県では、補助金の活用にあたり、あらためて、民間シェルターの要望を丁寧にお聞きしながら、民間シェルターの基盤強化と対応力の向上に向けた支援を行なっていきたいと考えている。
◉児童虐待の背景にDVがある実態が増えています
4)是非、現場の実態を把握して大事な役割を担う事業者がやむなく撤退せざるをえないことがないよう支援を強く求めておきます。
さて、近年、DVが背景にあると考えられる痛ましい児童虐待事件が発生しています。母親がDV被害を受けていて子どもを守ることができなかったと報じられています。被害者が、相談できるところがあることを知っていて、電話をしたり駆け込むことができたら救われたのにと思うと本当に悔やまれます。
こうしたことを防止するためにDVの相談先を周知する取り組みを強めるべきと考えます。
役所や公共機関などのほか、一部の商業施設などのトイレなどに女性相談所など相談先を書いた名刺大のカードを、すでに置いていただいていることは承知していますが、今後、さらに置いていただく場所の確保に向けて取り組んでいただきたいと思いますが見解を伺います。
→相談先を周知することは大切と考えるので、置いていただける場所の確保に向けて取り組んでいく と答弁しました。
引き続きDV被害者への支援を強めること、民間シェルターへの運営支援の拡充に取り組んでまいります。