3月18日の厚生常任委員会意見発表
18日に厚生常任委員会で行った意見発表です。
本委員会に提案されている諸議案ならびに所管事業について意見発表します。
定県第1号議案 令和2年度神奈川県一般会計予算について
福祉子ども未来局、健康医療局の予算は子ども、福祉、医療など命と健康、健やかな子どもの育ちなどどれも県民の命綱の予算です。児童相談所の体制強化、私立高等学校等生徒学費補助金など課題はまだまだあり、充実を求めるものですが、一定の前進を見ました。しかし、未病関連の検証は2年先とのことです。私たちは自分の体をしっかりテェックする特定健診の受診率をもっと高め、特定健診の結果、食事や運動など改善が必要な人への栄養士や保健師などによる特定保健指導、がん検診の受診率を高める取り組みの充実こそ求められると考えることから、この議案に賛成できません。
定県第13号議案 令和2年度国民健康保険事業会計予算について
2020年度予算では、2018年度決算で示された剰余金を財政安定化基金に積み、そのうち、64億円を繰り入れ、被保険者一人当たりにすると4000円の保険料引き下げに当てたことは、大切なことと思います。今後も剰余金の活用については、各市町村とも連携し保険料引き下げのために使っていただきたいと思います。一方、国民健康保険制度では、2020年度から、国は各地方自治体の一般会計からの決算補填目的等の法定外繰り入れをやめさせるために、赤字解消計画を策定させ、その計画の進捗状況に応じて保険者努力支援制度の得点配分を設定することとしました。この中で、特にひどいと感じるのは、この解消計画の進捗に合わせて配分する中で、初めてマイナスポイントを設定するという強硬的な姿勢がうかがえる点です。
国民健康保険料は協会健保などの保険料と比較しても保険料が高く、高すぎて払えないという住民の声に応えるために各自治体が苦労しながら保険料引き下げに取り組んでいるわけです。本来、国の責任で保険料を引き下げるために国庫負担金を増やす必要があるにも関わらず、保険者努力支援制度で自治体の努力を締め付けること自体おかしなものと言わねばなりません。このような努力支援制度は変えなければなりませんし、県もこれに準拠した対応をしていますので改善するべきと思います。以上の点から定県第13号に反対いたします。
定県14号議案、46号議案の神奈川県立病院機構第3期中期計画についてです。
2010年度に独立法人化された時に課題であった看護師の配置が7対1基準については7対1になっているとのことです
また、政策医療、不採算医療等に係る経費について、県の運営費交付金についても適正に交付しているとのことでした。
ただ、がんセンターについて、重粒子線治療の診療体制を充実強化し、治療件数を増加させるとともに、医療インバウンドなどに取り組むとしています。初めて外国人患者の受け入れを促進することが盛り込まれた内容です。外国人を受け入れることで県民の医療に影響が出るようなことはあってはならないと確認をしましたが、県民優先は今までと変わらないこと。外国人を受けるにあたっては、医療コーディネーターが計画的に受け入れるとのことでした。
がんセンターにおいて県民最優先の医療提供することをしっかり守ることを強く要望し、それぞれの病院が、県立の病院として、地域医療の守り手として、重要な役割を担っていることから、この議案に賛成します。
新型コロナ対策に関連して意見要望を申し上げます。
まず、患者の拡大を抑える体制を強く求めます。
患者が増えていく中で、検査体制と医療体制の充実強化が求められています。
検査について、県内の衛生研究所における検査能力は、1日200件とのことでした。当面は大丈夫とのことですが、拡大する準備として、委託契約の準備をするとのことですので、是非、検査体制の拡大を図るよう要望します。 また診療体制についても、感染症指定病院のほか、帰国者・接触者外来のほか、今後、同等の医療機関への受け入れを進める際には、病院内で患者同士が接触しない体制が取れること、陰圧室や陰圧カーテン、医療スタッフへのマスク、防護服など医療スタッフの感染のリスクを考えた対策をしっかり取ることも要望します。そして、収束までの間、学童保育、放課後自動デーサービス、保育園などへの支援、高齢者がデーサービスに通えないという問題など、そうした実態を把握して県としての支援策を求めておきます。
帰国者・接触者相談センターにおける相談件数も増大しています。相談を受ける保健師は積極的疫学調査も行うなど多忙を極めていると思います。
地域包括ケアシステムの推進役、いつ起こるかわからない大型の自然災害の発生時、今回のような新型の感染症対策の重要な役割を担います。いざという時に備えた体制を常時、図ることが必要と考え、保健所体制、衛生研究所などの充実強化を要望しておきます。
津久井やまゆり園の再生についてです
突然の昨年の知事の発表に始まった今回の問題について議論してきました。
今後の再生に向けた取り組みについて、当初の短縮期間が延長され、神奈川共同会も知事の提案に対し、協議に応じるとのことです。新しい利用者目線の支援を行う方向性について、まずはかながわ共同会、および職員にしっかり話し、納得のいく方向性を導き出して欲しいと思いますし、県は指導援助をしていくべきと思います。また具体的に事例などで研修する体制もとっていただきたいとも思います。利用者に寄り添った意思決定支援を継続するためにも人員の配置を増やすことやそのための指定管理料の見直しを求めます。
また、利用者、家族の皆さんとの話し合いも引き続き行い、納得のいく形で、不安のない形で新しい施設での生活が送れルよう支援をしていただきたいと思います。
今回、県が行ってきたモニタリングについても課題がたくさん浮き彫りになりました。様々、基本協定書に書かれたモニタリングを行うこととされていましたが、県が支援について見逃してきたというのは重大な問題と思います。指定管理制度の根幹である、支援の質の担保が見落とされることはあってはならないと思いますし、県の責任は大きいと言わなければなりません。
時代とともに、障害のある方の人権をしっかり保障した支援について、多くの支援にあたっている支援者の皆さんの努力や多くの専門家、家族の力で進んできていると思います。現場への支援を強めていただき、県の新しい障害福祉にじっくりと取り組んでいただきたいと思います。
横浜IRの「実施方針(案)」骨子について」のこの度の報告についてです
ギャングブル依存症は際限なくお金や時間を使うことで、経済的破綻や家庭内不和につながります。その結果、家庭内暴力、横領などの犯罪、うつや自殺を引き起こすと言われています。IR施設におけるカジノ面積は3%と言いますが、整備法に「カジノ事業の収益を活用して、特定複合観光施設区域の整備」と書かれています。IRはカジノの売り上げがないと成り立たない巨大な施設であり、日本人の依存症リスクをうむのが大きな問題と考えます。
カジノによるギャンブル依存症を多く生み出す以前の、予防教育、相談、依存症を克服するなどの依存症対策はパチンコなどの依存症も多いことから必要とは思います。しかし、今回の報告は、「横浜IR実施方針(案)」についてであります。県は、「実施方針案に記載されるギャンブルなど、依存症対策のうち、県が実施する施策及び措置にかかる事項について記載内容に問題がないかを確認し、協議を整えた上で同意していくとのことです。私たちは、横浜市のIR誘致については、住民の意見をしっかり聞くべきと考えています。また、会派としてIR誘致を反対する立場ですので、IR誘致前提での合意はしないよう執行機関に要望します。
定県第1号、13号議案には反対し、そのほかの議案について賛成し意見発表を終わります。