国の医療機関などへのマスクの配布とコロナ対策の県補正予算について
新型コロナ感染症対策の県の補正予算36億3046万円が可決しました。
25日の県議会最終日、新型コロナ感染症の拡大防止に向けた2029年度3月補正16億6072万円、2020年度補正予算19億6973万円、計36億3046万円が可決しました。23日にこの補正予算について厚生常任委員会が開かれ、補正予算の内容の質疑がありました。
また、国から医療機関や介護施設などへのマスク配布が報道されていましたが、いつになるか聞いてほしいなどの問い合わせもあり、行政に聞いたことも含め、はじめにその内容から報告します。なお、報告は県の補正予算のうち、厚生常任委員会関連の主な予算です。生活福祉資金貸付事業費、信用保証事業費補助などはここに含めていません。
国からの配布及び補助等について(3月23日現在)
◆国からの医療関係へのマスクの配布について
1、神奈川県には13万枚すでに到着している。
以下の調査を行なってすでに半分は配布している。あとは、院内感染が起これば、至急配布しなければならないのでその分は備蓄し、残りを配布する。本来は医療機関だけでも何百万枚必要であるので、医療機関への配布を基本とする。
県は医療機関にマスクの実態調査を実施した―以下のように優先順位をつけて配布
① コロナの入院患者を受け入れている病院
外来でコロナ患者を受け入れている病院
② 在庫が1〜2週間でなくなる病院
2、92万枚は、県が提出したリストにもとづき、今月中になると思うが、国が医療機関に直接配布する。
県は先週18日頃に国にリストを提出した。
◆国からの介護現場への布製マスクの配布について
国から介護福祉施設対象に直接配布する。
介護施設は請求データなどの全国的なシステムがあるので、その情報で示されている必要枚数を国が決める。ただし、最近新規で指定された施設については県から国にリスト化したのを提出した。
◆国からの障害者施設への布製マスクの配布について、
国が従業員と利用者対象に1人一枚を、施設に直接配布する。今月末から来月上旬にな
る。配送枚数の情報を県から国へ上げている、
◆国から保育園、放課後児童クラブへの布製マスクの配布について
保育園には保育士のみ1人一枚配布
学童保育には支援員、子どもに一人一枚を月末までに国から直接配布される
◆それとは違う補助として保育園、放課後児童クラブが購入したマスク、消毒液などの費用を1施設50万円まで補助する。
国から市町村を通じて補助する
◆国からの放課後児童クラブが午前中から受け入れている場合の補助の追加
午前から受け入れに必要な支援員の確保のため
1日あたり、支援員の一人当たり10200円に追加として2万円補助する
支援室を1クラス分増やす場合36,000円、プラス、1人の追加1日あたり26,000円の補助、 政令市も含む。 (川崎は午前中は学校で居場所の提供があるので、ワクワクからの申請はない。 川崎の自主学童から24クラス分の申請が出ている)
県福祉子ども未来局関連の対策で主なもの【県補正予算】
●介護施設に配布するマスク、消毒液を県が一括購入し、介護施設に配布する補正予算について (政令市も含む) 予算額【9808万円余】
174万枚、現状の不足を調査し積算した枚数。配布は4月以降になる。
消毒液について25000リットル分の補正予算を組んだ
●民間老人福祉施設において、感染が疑われるもの同士のスペースを空間的に
分離するための個室化に要する改修経費を補助(政令市は除く)【6846万円】
◯放課後等デーサービス利用者増に対応するため、市町村の負担の増加分に対して補助する (政令市も含む) 【4億8899万】
利用者負担は1割負担、残り9割は市町村が事業所に支払う。
コロナ対応で利用増の時に、県が利用者分と市町村分を補助する
◯障害者の事業所に対し、衛生用品、マスク、エタノールなどを事業所が購入した場合の補助。遡って補助する。 【 1000万円】
(政令市を除く)(政令市は政令市でやっている)
◯障害者入所施設の多少室をコロナ対策として個室化する 【3億7463万円】
感染が疑われるもの同士のスペースを空間的に分離するための個室化に要する経費の補助。調査に対し、3カ所が手を挙げた。40室分、
(政令市を除く)(政令市は政令市でやっている)
◯児童福祉施設等(児童相談所、乳児院、養護施設など)の感染症対策費にマスク・消毒液などを一括購入し、配布する
(政令市を除く)(児相の設置自治体はその自治体でやっている) 【 223万円】
健康医療局関連の対策の主なもの【県補正予算】
◯感染症患者の受け入れ体制の整備
感染症患者入院医療機関等設備整備費補助 予算額【3億636万円余】
感染症外来協力医療機関や入院受け入れ可能医療機関が個人防護具や簡易ベッドなどに要する経費について補助する。 補助の内訳・国2分の1、県2分の1
外来―空気清浄機、パーテーション 民間医療機関
入院―陰圧室、人工呼吸器など (政令市含む)
*診療体制について 感染症指定病院8箇所、72床、
「帰国者・接触者外来」は 41医療機関(非公表)=ここでは検体を取ることができ、検査は衛生研究所に送る
今後、準じる医療機関は8カ所お願いしたい
*病床は現状は可能な体制だが、今後、拡大に備えて強化を図る必要があると考えると答弁がある。
◯感染症検査体制の強化 予算額【8476万円】
衛生研究所検査機器等更新事業費
リアルタイムPCR装置など、検査に必要な機器の整備 予算額【3606万円】
感染症検査事業費
検査費用の保険適用に伴う自己負担相当額の公費負担など 予算額【3870万円】
最先端技術感染症対策推進事業費
スマートアンプ法を利用した迅速検出法の実証研究など 予算額【1000万円】
*検査体制について
県内衛生研究所(県、横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市)で1日可能件数200件
(県の衛生研究所としての検査可能件数は1日、60件で今後、民間の医療機関で行う検査件数と合わせると県独自で1日100件は可能)3月18日の検査実施件数は124件だった。 *医師が必要と判断した時に検査を断られることについての報道があるが、県内ではどうかと質問するが、県内ではそうしたことはないとの答弁がある。
◯感染症予防事業費 予算額【1億3469万円】
保険福祉事務所などで使用する防護服やマスクなどの必要な資機材を整備する
外国籍感染症患者の受診にかかる電話通訳サービス等の提供
市町村が実施する消毒にかかる経費の一部負担 (政令市以外)
◯感染症相談窓口運営費 予算額【6、048万円】
帰国者・接触者相談センターや専用相談ダイヤルを7月まで運営する予算
○感染症患者移送費 予算額【1113万円】
民間移送業者を活用して、感染症患者を医療機関へ迅速に搬入する。
搬送車を4台購入し、配置する。
*質疑で、帰国者・接触者相談センターの予算は、今のセンターを継続する予算ということだが、以前も指摘したように、保健師が対応する相談件数は増加し続け、感染者の行動歴や接触者を調べる積極的疫学調査はとても大変であり、今後、拡大されればさらに保健師の業務は厳しくなる。その場合の体制強化の予算化を図るよう要望しました。
*質疑で、国保の保険料の滞納を理由に、正規の保険証を取り上げられ、窓口負担を全額払わなければならない資格証明書に置き換えられた人についても、新型コロナに関わる治療費は保険証を持つ人と同じ扱いにするよう、厚労省から通知が届いていると聞いているが市町村に通知しているか確認したところ、通知しているということでした。