保健所の体制強化を! 帰国者・接触者相談センターの実態をお聞きしました
9日、神奈川県平塚保健福祉事務所に伺いました。
激務に追われる保健所に伺うことは心苦しく、申し訳ないとおもいながら、コロナ感染症対策特別委員の君嶋県議と、厚生常任委員の私とで、是非、実態をお聞かせいただきたいと短時間訪問させていただきました。対応していただき本当にありがとうございました。
新型コロナウイルスに感染したかもしれないという住民の相談の窓口は保健所に設置されている「帰国者・接触者相談センター」です。相談が増加し続けている中で、相談を受ける保健師さんたちは多忙を極めています。私は3月6日および23日の厚生常任委員会でもこの問題を取り上げ、相談が増え続けるもとで、保健師さんを増やし保健所体制の強化を図るべきと主張してきました。
当保健福祉事務所は平塚市、秦野市、伊勢原市、大磯町、二之宮町を担当しています。
2月10日に設置されてから4月7日現在までの帰国者・接触者相談センターの相談件数は2150件。内訳をみると3月の1ヶ月間の相談件数1,169件に対し、4月は1週間で625件と3月1ヶ月分の53%に達しています。感染された方は4月8日現在で31名とのことです。
保健師さんはこのほか、陽性の患者さんの、接触者や行動履歴を調査する「積極的疫学調査」を担います。陽性の患者さんに会う時は防護服を着て聞き取りを行ったり、行動歴に基づき職場や病院や自宅に訪ねたりを2人体制で行うとのことです。
感染症の対応はともかくスピードが大切なので、土日になることもあるとのことです。
感染症の対策は保健医療課が担当しますが、保健師さんは現在11名で、電話対応が大変な時などは保健福祉課の保健師さんも応援に入っているとのこと。
こうした仕事には、報告のための提出書類がたくさんあって、記録を書くのに時間がかかり、夜遅くになることもあるとのことです。
「帰国者・接触者外来」の医師がPCR検査が必要と判断した場合に採取します。採取した検体を衛生研究所に運ぶのも保健福祉センターの仕事です。
相当な激務になっていることを実感しました。潜在看護師などと違って、潜在保健師は少ないとのことですが、人員増を図ることは必至と思いました。
今日15日の新聞報道によると、神奈川県厚木保健福祉事務所に海老名市の保健師さんを2人、派遣し、協力するという記事が載っていました。
こうした協力は必要と思いますが、それでも限界があるのではないでしょうか。
まだまだ増え続けるであろう新型コロナウイルス感染症の患者です。対応する医療機関も保健所もスタッフが懸命に頑張っていますが、連日、このままでは医療崩壊するのではと報じられています。保健師さんの激務も今朝のニュースで報じられていました。保健師さんの募集をかけることができないだろうか。相談センターの対応などに潜在看護師さんの力を借りられないのだろうかと思います。
限界になる前に体制を強化することは急務です。そして、感染症の対策も、地域の保健衛生としても、地域包括ケアの要となる保健師さん。この間の自然災害は激甚化していますし頻発して起こっていますが、大災害時も避難所や地域を回り健康状態の相談に乗るのも保健師さんです。 しかし、この間、保健所は統合され減らされてきました。
今回を教訓に自治体のあり方として、住民の命と健康を守り支える保健所の体制を平時から整えておくことが必要だとつくづく思います。
15日、コロナ感染症対策特別委員会が行われ、君嶋県議が保健所体制について質疑しました。