2007,09,08, Saturday
川崎の障害者の福祉施設として、昭和40年代から50年代に整備された井田地域にある障害者の福祉・医療センターのうち、陽光園、明望園、しいのき学園を視察しました。
自立支援法が施行されましたが、これまで入所されているひとりひとりのかたがたが、新しい制度にはたして移行できるのだろうか、平成23年度までに、居住の場や日中活動の場がそれぞれ確保できるのか。そして、応益負担のもとで、本当に障害者の方々の人権が守られて、地域でくらしていけるのだろうか・・・かなり老朽化が進む建物・・・市は現在、この福祉・医療センターの再編整備を考えているといいますが、その前に実態を知りたいと考え、視察しました。
【写真は陽光園の全景】
陽光園(知的障害者の授産施設)・・・昭和45年開園
入所、通所の授産施設ですが、ともかく施設が老朽化し、1部屋に3人が生活するのですから狭いうえに暗くて、トイレや浴室なども含め居住環境の改善が本当に急がれます。今日はみなさん、旅行におでかけでしたが、自立支援としておこなっているクリーニングの作業場を見学しました。保育園のシーツがなくなったので、単価が大変安くなってしまい、工賃がその分低くなったとのことです。夏場は40度の中での作業とのこと、また障害者年金と工賃のなかから朝食、300円、昼食650円、夕食650円の食事代、居住費として1日1900円、医療費ではたとえば腎臓疾患の方は1回の通院は1割負担で5千円、そのほか日用品などの出費で洋服もほとんど買えない・・という状況だそうです。入所の方の中には「自活室」で調理,洗濯、清掃・・などの練習を行い、グループホームやアパートぐらしをされるかたもいらっしゃるとのことです。なかには新しい法律のもとでは、くらしていけない方々の福祉的措置としての支援はどうしても必要だと強く思いました。
【写真は授産施設のクリーニング施設
明望園【知的障害者授産施設】・・昭和54年開園
陽光園より9年後の建物ですから陽光園と比べれば差し迫った感じはしませんでした。身体に障害があり、一般就労が困難な方に働く場を提供しながら、自立した生活に必要な生活技術や就労習慣を身につける施設で、ここで生活されている方(入所)と自宅から通われている方(通所)がいらっしゃいます。製パン科では美味しいパンつくりの最中でした。軽作業科でもボールペンのくみたてなど一生懸命お仕事されていました。ここでは、仕事の確保が課題のひとつのようでした。
【写真は授産施設の製パン科風景】
しいのき学園【知的障害児施設】・・昭和48年開設
様々な理由で家庭での養育が困難な児童を長期または短期で受け入れ、健全な育成のために必要な生活援助を関係機関と連携を図りながら家族とともに進めて行く施設です。
みなさん、学校に行かれていたので、居住環境をみせていただきました。
午前の最後は、長寿荘です。昭和41年開設の60歳以上の方々の利用する施設です。入浴されている方や、卓球を楽しんでおられたり、食堂でお食事したり、談話室でテレビを見たり、広場でグループでお食事されていたり、とてもみなさん楽しそうでした。川崎市はこれまでおこなってきた宿泊事業、一般金婚招待事業やひとりぐらし高齢者日帰り招待事業を廃止、終了をうちだしています。このことのパブリックコメントを今月14日までおこなっています。
午後はヒルズ末長を視察しました。指定管理制度になるときに1度視察しましたが、床と壁、天井の補修がされ、大変明るくなりました。実態をきかせていただきました。
<1日ハードスケジュールでしたが、大変有意義な視察でした。