2007,12,10, Monday
昭和47年から続いてきた川崎市独自の老人医療費助成条例を廃止する議案が市長から提案され、7日の健康福祉委員会で審査が行われました。
同時に市民のみなさんからの「廃止しないで守ってほしい」「市の健康診断の継続を」という請願が15731名の署名をもって寄せられ、その審査もあわせて行われました。
この制度が廃止されると、67歳から69歳の医療費自己負担は今の助成制度と比べると一挙に3割負担にはねあがります。市は『経過措置』として今、この制度を受けている人だけは、70歳になるまで2割負担にして、年額1万円の助成をするとしておりますが、来年4月以降67歳になる人は経過措置はなく、3割負担です。
健康福祉局長は制度の廃止による『受診抑制』は少ないものと考える。また「窓口負担があがることで、重症化し、結局医療財政を増大させるものではないか」との私の質問に「過去の負担増のときに医療助成費の大幅な増加は生じていないから、制度の廃止による影響は少ないと考えると答弁しました。
しかし、川崎市が老人医療費を助成している見込み額は15億418万円、一人当たりにすると年額約5万円です。これが廃止になると丸々67歳から69歳までの人にかぶさってきます。今回の助成の廃止で1割負担から3割負担になるのですから、前回の定額570円から、定率1割負担になったときと比べ、比較にならないほど、大きな負担増です。
ましてや、この間、相次ぐ増税と保険料の負担増で高齢者の生活実態は厳しくなる一方で、さらに追い討ちをかけるようなものです。
こうした実態に心を寄せ、国の悪政の防波堤になってこの助成制度を守り、74歳まで拡充することこそ自治体の役割です。
市長は 世代間の不公平をなくし、持続可能な制度を構築するといわれましたが、安心して受けることのできる医療制度にすることこそ持続可能な制度になる確かな道です。市民の願いは、誰もが健康で高齢期をむかえたいということです。長寿が喜びになる川崎であってほしいということです。そのためには、若い時から健康診断とともに健康づくり、早期発見、早期治療が伴って初めて実現できます。そのことが医療費を抑制する道ではないでしょうか。
不公平というのなら社会保障を削る国政のあり方と、税金や社会保険料の大企業の負担がヨーロッパなどと比べ少なすぎることこそ不公平ではないでしょうか。
こうした議論をおこなって、わが党は廃止議案に反対しました。しかし、自民、公明、民主の賛成多数で可決されました。