このまちレポート

「教育に憲法を生かす川崎市民の会」 6・27集会に参加して

2009年7月8日

2009,07,08, Wednesday

09年7月7日

千葉大学名誉教授の三輪先生の「教育費無償は世界の流れ」と題した講演を聴きに行きました。

人間は「教育的動物」、教育の目的はこどもの諸能力の最大限の発達を規定している

人間は「教育的動物」といわれ、教育を受けなければ人間に発達できない。他の動物の脳力が、遺伝子に刻まれたプログラムにしたがい、からだの成熟とともに発現するのと本質的に異なる。人間の発達可能性の生理的根拠は、大脳、特に神経細胞の特殊な構造にある。それは、学習や経験を刺激として無限の情報ネットワークを形成し生涯をとおして発達し続け頭の中に広大な内的宇宙をつくりあげる。

こどもや大人の発達可能性は無限であり,それゆえ、こどもの権利条約も教育の目的として、こどもの諸能力の最大限の発達を規定している。

教育を受けることはすべての人間の発達にとって不可欠な基本的ニーズ

それゆえに、教育を受けることは、すべての人間の発達にとって不可欠な基本的ニーズであり、金のあるなし、経済的条件によって左右されてはならない。「教育を受ける権利」はすべてのものが平等に享受すべき個人のかけがえのない権利であり、受益者負担、自己責任主義に基本的になじまず、公費により社会的に保証されるべきである。

憲法26条は「教育を受ける権利」「義務教育無償」を定め、
教育基本法は「国と地方公共団体は経済的理由によって就学が困難なものに、奨学の方法を講じなければならない」と規定

同時に施行された教育基本法はその具体化として「教育に機会均等」(3条)原理を定め、「経済的理由によって教育上差別されない」(1項)「国及び地方公共団体は、経済的理由によって、就学が困難な者に対して,奨学の方法を講じなければならない」(2項)と規定した。

川崎市は申請者に高校奨学金を認めるべき

改めて、基本的なことを学習し感銘しました。講演を聴いていて川崎市の高校奨学金制度を思い出しました。2004年度までは450人が奨学金を受けられる枠でした。例年1000人近くの申請にもかかわらず、市は予算を削減し、350人に枠をせばめてしまいました。この経済不況のなか08年度の応募者は986人にのぼっています。校長先生と担任の推薦を受けて申請しているのに、3人に1人しか受けられません。経済的理由で高校進学をあきらめたり退学を余儀なくされることはあってはなりません。

憲法、教育基本法にたちかえり誰でも公平に教育を受けられるよう、市は申請者に奨学金を認めるべきです。