2008,05,25, Sunday
市の重大な事業計画について、市民が投票によって市政を動かせるとして期待が高い住民投票条例ですが、6月議会に提案される素案の中身は、ハードルがいくつもあってこれで住民投票ができるだろうか。という内容です。市民のみなさんにあまり知らされないまま、6月議会でもうすぐ審議されようとしています。
素案には大きく4つの重要な問題点があります。
第1として、住民投票の対象になるか否かは市長が決めるというのです。
第2として、住民の発議には、資格者総数の10分の一(約11万人)以上の署名・押印を2ヶ月間であつめなければなりません。今の直接請求に必要な50分の一に比べると非常に厳しい要件です。
第3として、これらをクリアできたとしても、議会において議員の3分の2以上が反対すれば、結局住民投票を実施できないことになります。
直接民主制としての住民投票の実施に当たりさらに議会の関与を要件として持ち出すのは、制度の趣旨を否定するもので、全国に例がありません。広島市のように、市長や議会は意見表明の機会はたくさんあるからと住民だけが発議権者とされている市もあるのです。
本市の素案のように、2重3重の厳格な要件を課せられれば、住民発議はきわめて困難となります
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第4は住民投票の投票日は選挙と同じ日としており、公選法の規制を受けます。選挙と同じ日になることで、住民投票条例は政治活動として公職選挙法などの規制を受け、自由な活動ができなくなります。市民が主権者として権利を行使する大事な機会です。選挙と別の日におこなうべきではないでしょうか。
市民が本当につかいやすい住民投票条例にするため、拙速にせず、もっと広く市民に内容をしらせ、意見を聞くべきではないでしょうか。