このまちで子育て

産後ケアで安心子育て 世田谷区の「産後ケアセンター」を視察

2010年7月21日

 P1040706 7-13    7月13日、6月議会で私が質問した産後ケアセンターの取り組みをこども部の担当課長さんからお聞きし、その後「産後ケアセンター桜新町」を視察しました。

産後は多くは5日目で退院となっていますが、出産による体力消耗に加え、急激な体の変化,頻回授乳、慣れない育児への不安と母親の心身に大きな負担がかかります。この時期に適切なケアが必要ですが、祖父母の就労や年齢が高い場合などサポート体制が厳しい実態があります。産後4ヶ月未満の母子を対象に母体ケア、乳児ケア、育児相談、育児指導を行なう、宿泊型施設の産後ケアセンターを全国ではじめて整備した世田谷区です。

冒頭で世田谷区は東京でいちばん子育てがしやすい区をめざしていること、そのなかで児童虐待を何とか未然に防ぎたいと言うことで、世田谷区は育児不安を早く解消することが、児童虐待の予防につながると位置づけてこの事業を始めたとのことでした。

世田谷区が武蔵野大学と協同で開設し、15ある個室のうち、7室は世田谷区民が対象で、区民の費用は1割負担で実施。残り8室は誰でも利用が可能で、川崎市民の利用もあるとのことでした。

   ケアセンターでは、長いキャリアをおもちのセンター長さんがあふれる思いをお話くださいました。特に産後まもなく、睡眠不足で眠れないことから、疲れがたまり育児不安に陥る場合など、ともかく赤ちゃんのことは心配しないでゆっくり眠りなさいとまずおかあさんの体力の回復をはかり、それからゆっくりとあかちゃんの授乳など育児指導を行うそうです。専門の助産師さんが母と子の大きな見方になり支える。お母さん同士のつながりの中で、育児に自信をもち表情がとてもあかるくなるそうです。時にはメンタルケアも心理職が行うそうです。上のお子さんやお父さんも一緒の場合もあるとのことでした。

   宿泊プランは、母子ショートステイ7日間で196000円ですが、区民の場合はその1割で利用できると言うことです。非課税世帯はさらに低料金だそうです

  申し込みは区内5か所の支所に申し込みを行い、審査を受け、申し込みが定員以上の場合は区の担当課で抽選をおこない決定されるそうです。全国初と言うこともあり、マスコミでもとりあげられ、多くの自治体から問い合わせや視察があるとのことでした。

   ケアセンターを独立して整備するのが無理ならば、助産院に何床か確保して産後ケアを委託するなど方法はあるのではと区の課長さんはいわれていました。核家族化し祖父母のサポートが無理の場合、初めての育児で心身のつかれでつらくなる場合、そうしたサポートがあればどれだけ助かるかしれません。川崎でもやはり必要だと強く思いました。