このまちで子育て

大型マンション建設時に、横浜市は認可保育園を整備!

2010年8月28日

横浜みなとみらい保育園を視察させていただきました

保育ニーズ激増、
           
「保育園を増やして!」の叫びに川崎市はどうこたえるのか
   
09年4月の川崎市の保育所待機児童数が713人と、08年・583人より増えたことから、「保育緊急5カ年計画」の見直しが行われ、09年8月に改訂版の骨子案が示され、2010年3月に、「保育緊急5カ年計画の改訂版」が策定されました。
    改訂版は、今後3年間の入所申し込みが、毎年1000人ずつ増加すると見込み、3年間で3千人の定員増をはかるというものです。
共産党市議団は今日の経済・雇用実態の厳しさから、子育て世帯のくらしのセーフイティーネットとしての保育ニーズはますます高まるとして、5千人の整備計画が必要だと求めてきましたが、私たちの指摘のとおり、今年4月、入所申し込みの増加は1000人をはるかに超えた1648人にのぼり、待機児童数は1076人にものぼりました。
        またもや改定初年度から予測がくずれたのです。

足りない認可保育所をどう増やすのか
 
市は2010年度の整備目標を15箇所1070人としています。そのうち690人〈64%〉は、民間事業者が、ビルの1室に保育室などを整備する「民間事業者活用型保育所整備事業」で受け入れ枠を増やすというものです。
これまでもこの手法の多くは園庭がない施設ですが、今年度も、整備が決まっている8箇所・480人のうち、園庭があるのは4箇所のみです。近くに公園等があればよしとする規制緩和がもたらした結果です。

私達は、子どもの成長発達から園庭のある認可保育所の緊急増設が必要と主張してきました。保育園も特養ホームもですが、用地の確保が大変なことが、増設が進まない大きな要因です。

園庭のある認可保育所増設には用地確保が難問
     6月議会で共産党市議団は、「認可保育園の用地確保のために、国有地・県有地を利用できるよう国・県に働きかけるべき。市の上下水道局などの土地も活用を」。「民有地に認可保育園を新設する社会福祉法人に土地代の補助を拡充するように」と提案しました。この内容は前回報告しました。

横浜市は「横浜市開発事業の調整に関する条例」等により、園庭のある認可保育所を整備している! 横浜みなとみらい保育園を視察しました
   横浜市は、市有地の無償貸付による新設がH14年度から21年度までに延べ63箇所、定員を5605人分増やしました。そのうち「横浜市開発事業の調整等に関する条例」等により、市へ譲渡された用地によるものが7ヶ所あると聞き、8月26日、そのひとつである横浜駅東口・徒歩5分の、「横浜みなとみらい保育園」=(120名定員)を視察させていただき、横浜市の保育所整備課の担当職員の方から取り組みをお聞きしました。

横浜市は、200戸以上の開発の届けがあると、建設局から保育課に紹介があり、認可保育所の整備について、開発業者との協議を行い、お願いをするとのことです。この間7か所の整備を行い、定員を720人、増やしてきたとのことです。

共同ビルの一部の床スペースを市が買い取り、保育所の整備も市が行うとのこと。市有地貸与は社会福祉法人に限られており、運営する社会福祉法人は家賃を市に納めるということです。

巨大マンションが次々建設されている川崎でもこうした取り組みは絶対必要です。100メートル以上の大型マンションが、にょきにょき建っている小杉の開発地域には、たった1か所60人定員の保育所しか整備されていないのですから。

ここも川崎とちがう
園庭を「横浜市民間保育所設置認可等要綱」に定め確保
    この要綱には「屋外遊戯場として、2歳児以上一人当たり3・3㎡以上とする。ただし、市長が特に必要と認めた場合は付近の公園、広場,寺社境内等で代えることが出来るこの場合にあっては専用の屋外遊戯場を基準面積の2分のⅠ以上またはプール遊び等の出来る場所を確保することとする」と、あります。この要綱で7ヶ所すべてに園庭が確保されています。

川崎には、「この場合にあっては、」「基準面積の2分のⅠ以上、またはプール遊び等の出来る場所の確保」を義務付けていません。そのため、水遊びのためには、法人のバスで同じ法人運営の横浜にある保育所までつれていかなくてはならないところもあるのが実態です。

横浜の担当職員は「保育所の運営指針に水遊びを位置づけていますから、最低でもプール遊びが出来るスペースの確保を義務つけています」とのことです。

横浜みなとみらい保育園は
   住戸385戸36階建てのビルの3階部分にあり、120名定員で1735㎡の保育園です。園庭は309㎡あり、プールや給湯シャワー設備、砂場、遊具、トイレ、遊具置き場が設置されていました。一人当たり3・3㎡まではいかなくてもその8割ほど確保されています。私たちが到着した時は、子育て支援スペースで8月の誕生会が行われるところでした。(下の写真左から、、4歳児の部屋、子育て支援ルーム、園庭(屋外遊戯場,厨房) クlリックし拡大して下さい

 

 4歳児のお部屋 こそだて支援スペース 園庭()屋外遊戯場 厨房

待機児童の解消に向けて、民間保育所整備候補地を公募した横浜市
    そのほか、横浜市は民有地の所有者に、保育所を整備する土地がありませんかと投げかけ、一方、民間保育所を整備、運営しませんかと法人に投げかけ、マッチングする事業を今年度から始めました。
    条件は保育所運営事業者と20年以上の賃貸借契約を締結していただける個人、または法人。原則として市街化区域における500㎡以上の土地だそうです。
8月2日から、土地募集を開始.3ケタの問い合わせがあるそうです。

今回の視察は大変勉強になりました。川崎でもやる気になればこうした取り組みが可能なはずです。

これから始まる9月議会に緊急対策として、60名定員が2ヶ所、30名定員が2ヶ所、計180名を整備する補正予算が提案されました。
引き続き、一刻も早く待機児童をゼロにするため、園庭のある認可保育所の緊急増設を、そのための公有地の活用や横浜市のような取り組みを川崎でもすべきと市に対し求めていきたいと思います。