9月15日に行った共産党市議団の代表質問で質問した「子育て支援の拡充」について報告します。取り上げた主な項目は下記のテーマです。
① 保育所待機児解消策をー認可保育園の緊急増設を
② 小児医療費助成制度を中学卒業まで拡充を“
③ 私立幼稚園の保育料補助の拡充を
① 認可保育所の緊急増設で一刻も早く待機児ゼロに
認可保育所の申し込みが2009年度1万6384人から2010年度は1万8032人へと昨年よりも1648人増えました。3月にだされたばかりの「保育緊急5カ年計画改訂版」では申し込みが昨年よりは1000人増えるだろうと予測をしていたわけですが、すでに予測を超えた申し込みになっています。経済不況や雇用の深刻な中、保育所は子育て世代の暮らしのセーフィティーネットの役割を果します。一刻も早く預けて働きたいという親の願いにこたえる認可保育所の緊急増設はまったなしです。
○公有地を保育所用地として確保を
認可保育所の整備を抜本的に進めるための課題である「用地確保」については、先の6月議会で共産党市議団が求めた公有地の活用にむけた取り組みについて、
こども本部長は「現在、国から情報提供された用地について、保育所の整備の適否について検討している」「県有地の活用についても検討する必要があると考えているのでその活用手法について関係局と協議を進め、県への働きかけを行なっていきたい」「本市の企業会計部局所有の用地について利用にむけて調整をしていきたいと考えている」と答えました。
○市の再開発事業には、計画段階から認可保育所の整備を位置づけるべき
横浜市は市の再開発事業の際には計画段階から認可保育所の整備を位置づけ、事業者と旺盛に協議を行い、園庭も確保した保育所の整備を行なっています。
特に底地を市が持っている場合には等価交換した床に、市が整備する公設民営型の整備を行なっています。
武蔵小杉の再開発事業で人口が急増し、ますます保育ニーズが高まっているのですから、本市も、市の進める開発事業には、計画段階から、認可保育所の整備を必ず行なうようにすべきと求めました。
こども本部長は、「関係局との連携を密にし、開発事業者への積極的な働きかけをおこなってまいりたい」と答えました。
○土地の所有者と保育事業者とのマッチング事業を
=共産党の提案が新保育基本計画素案に盛り込まれる
土地の所有者と保育事業者とを結びつけるマッチング事業を8月から始め、1ヶ月間で3ケタの問い合わせがあった横浜市の取り組みを紹介し、本市もこうした取り組みが出来ないか提案しました。
こども本部長は「現在、(仮称)新保育基本計画の策定のなかで、新たな整備手法を検討しており、他都市の事例なども参考にしながら取りくんできたいと考えている」と答弁しました。 10月1日発表の新保育基本計画素案に共産党市議団の提案が盛り込まれました。
○こどもの成長発達を保障するために園庭の確保を
本市の認可保育所で園庭のない保育所は25園、施設内でプール遊びが出来ない保育所は7園もあります。今、待機児解消のために認可保育所をもっと増やしてほしいという願いと同時に、園庭やプール遊びが出来る保育所を!という声が多くなっています。
厚生労働省の保育所保育指針は「保育園の施設、屋外遊技場は,こどもの活動が豊かに展開されるためにふさわしい広さ」を持つことを定めています。
横浜市の「横浜市民間保育所設置認可等要綱」は屋外遊戯場の基準面積〈2歳児以上一人あたり3・3㎡〉の確保が困難の場合は付近の公園等を代えて認めるとしていますが、この場合にあっては、基準面積の2分のⅠ以上、またはプール遊びの出来る場所を確保することとしています。
さらに、「取扱要領」及び「取扱にかかわる運用基準」をもうけ、「専用の屋外遊技場に変わる付近の公園等は、当該保育所から児童の歩行速度でおおむね5分程度の範囲内で到着できる距離に1か所以上あることとする」「プール遊び場の確保については当該保育所の近接地、バルコニー、屋上等に確保されているとの要件を満たすものとし、広さは30㎡を目安とする」と定めています。
子どもの育ち・発達に不可欠な園庭やプール遊びのできる施設を備えた認可保育園を増やすには、せめて横浜市のような「設置認可基準」にすべきと質問しました。
こども本部長は「駅に近く利便性の高い場所の保育所整備については、園庭等の確保を条件とすることは困難であるが、事業所から提出される事業計画の審査のなかで、近隣の公園等の活用や施設内でのプール遊びなどについての考え方を確認している」と言う答弁にとどまりました
② 小児医療費助成制度を中学卒業まで拡充を
お子さんが小学校1年生になる方、東京から引越してきた方、慢性疾患のお子さんをおもちのかたをはじめ本当に多くの父母のみなさんから、早く中学卒業まで、所得制限なしで医療費を無料化してほしいという声が今、ますます大きくなっています。
昨年の市長選挙で拡充を公約した阿部市長は先の6月議会で「私の任期中に所得制限の緩和や年齢の拡充の検討を進める」と共産党市議団に答弁しました。
同じ時期に拡充を公約した市長が当選した浜松市では、お金がなくて医者にいけない子どもが増えている実態なども深刻に受け止め「国がやらないなら自治体が先行してやろう」と決断し、今年4月から無料化の実施に踏み出しました。本市も来年度からの実施を求めました。
阿部市長は「行財政改革を着実に推進し、その成果を還元して制度拡充できるように検討を進める」と答弁しました。他の市民サービスを削減しなければやらないというのではなく、自治体として何を大事にやるか、公約したのですから行革を理由に先延ばしは許されないと思います。
③ 私立幼稚園の保育料補助の増額を
「上の子は公立幼稚園で家計にも負担が少なかったが公立幼稚園がなくなった今では下の子は私立幼稚園という選択しかなく入園料・保育料がとても高額で,まるで私立の高校に行かせているようだ」「保育園に入れず、幼稚園に入園させたが毎月3万5千円、さらに写真代、冷房費等で月4万円も。保育料の補助を増額してほしい」など、平均保育料が年33万円余と政令市中、いちばん高い本市の保育料に対し、補助額を増額してほしいという声も大変多いものです。特に年収360万円から680万円のDランク世帯への補助は、市費が補填されたものの、昨年度と同額の6万2200円です。Dランクの補助額の増額と他のランクについても増額すべきと質問しました。
こども本部長は「国の動向を見すえた上で総合的な子育て支援という視点から、保護者負担の軽減が図られるよう引き続き努めていきたいと考えている」と答えました。
○そのほか、公立保育園の民営化について、子ども・子育て新システムについてもとりあげました。