NPO法人川崎市地域腎臓病連絡協議協から阿部市長に提出したH23年度要望書について、10月22日、当協議会の代表の方々と懇談を行ないました。
この会には560名の会員がおられ、殆どが1日4時間~5時間、週3回の透析療法をうけることで生命を維持しておられるとのことです。 透析治療をうけながら福祉制度や透析医療の進歩、充実等により一般社会への復帰をはたすことができるようになったとのことです。反面、長期透析による様々な合併症の増加や透析導入年齢の高齢化に加え、近年、 特に合併症を併発しがちな糖尿病腎症透析患者の増加等により、日常生活や通院に介護を必要とする透析患者が増え、通院に関わる問題がせつじつになっているとのことです。
どの要望も切実なものばかりです。
重度障害者医療費助成制度について、神奈川県はH20年度に医療費の窓口の支払いに一部負担金を導入し、65歳以上を超えて新たに障害者となった方は制度の適用除外としたうえ、昨年には所得制限を設けるなどの制度の見直しを、多くの反対をおしきって行ないました。県の方針が出されたときに、川崎では多くの団体から、見直し撤回の陳情がよせられました。健康福祉委員会で大いに議論になり、私は県に対しこの方針を撤回すべきであることを市からあげるべきだし、たとえ県が強行したとしても川崎市として従来どうりの制度として継続すべきと主張した経過があります。この制度本来の目的から考え、川崎市をはじめほとんどの市町村は、従来の制度を自治体の裁量で堅持しています。
週3回の通院に関わる交通費支出や透析中に摂る治療食等の支出を考えると少ない年金収入のくらしでは大変厳しいものがあることから、今後についても重度障害者医療費助成制度を継続してほしいという要望は当然です。
また通院に対する支援と保障する体制の確立も重要なことです。
要望にある福祉タクシー券の増枚や横浜市のように市営バスの定期券を民営バスとの共通定期券にすること、東京都のようにガソリン券も選択肢として採用することも必要なことだと思います。一日おきの通院は生命維持に不可欠ですが、通院困難な患者さんが増加しているとのことです。また通院の手助けをヘルパーさんにしてもらっている場合、介護保険では、病院内の介護は適用外となっているために非常に困るという問題もあります。これはヘルパーさんや高齢者の方々からもたくさんよせられている問題です。
乗降介助や病院内の介助は病院のスタッフが行なうこととされていますが、かつては看護師さんや透析技師がかなりの人員がいたが、現在は中医協によりカットされ人員が減らされ、とても頼めない状況がある。患者の実態に即した対応をぜひお願いしたいという要望ももっともです。
先ごろ実施された「透析医会」と「全国腎臓病協議会」との懇談内容から、透析施設経営側として、「現行の施設による通院サービスは、今後長い期間継続することができない」として、送迎サービスの継続の困難が表明されているということです。また家族による送迎については伴侶の老齢化による支援の難しさや、患者自身の高齢化による身体の不自由さの増加など不安材料はつきません。透析患者送迎支援対策はますます重要だと思いました。
あと災害対策はなるほどこれは対策をきちんとしなければとおもいました。1週間透析治療を行なわなければ死に至ってしまうということですが、透析治療には電気と水を大量に必要とされることからも、2007年に、県は「災害時透析患者支援マニュアル」を作成しているが、川崎市における対応の整備が必要と言うことでした。これも実態がまずどうなっているのか掴む必要があると思いました。
今回、じっくりと懇談をおこなうなかで、本当に切実な要望がよくわかったし、勉強になりました。