後期高齢者医療制度の廃止は昨年の総選挙で民主党が公約し、大きな争点として訴えたテーマでした。
民主党は08年、共産党などの3野党と一緒に同制度の廃止法案を提出し、参院を通過させました。当時の菅代表代行は「長生きされて75歳になった方に社会のお荷物というレッテルをはる制度である」「断固として廃止させなければならない」と、この制度を酷評しました。
ところが、「大多数の高齢者が国保に入るから年齢による差別はなくなる」といいながら、厚生労働省が12月8日の高齢者医療制度改革会議で示した「新制度」の最終案は、高齢者の医療費を現役世代と別勘定にし、保険料を別建てにする点で後期高齢者医療制度と変わりません。そして、高齢者の保険料が、2年ごとに負担割合が上がっていく点も後期高齢者医療制度と同じです。
高齢になれば誰でも、病気がちになります。だれもが高齢になり、それはいつかいく道です。高齢化が進み増える医療費は国が責任を持って支えなければならないと思います。それを無理やり削減しようとする立場に、高齢者を差別する制度の根源があるのではないでしょうか。この立場をきっぱり捨てて、高齢者を別勘定にしない老人保険制度にもどすべきです
新制度の最終案は、国の負担を増やすどころか減らして、高齢者に負担増を課すものです。
70歳~74歳の患者負担を順次2割に引き上げ 06年に患者負担を1割から2割にする法改悪を前政権が行いましたが、負担増に怒りが広がり1割のまま凍結しました。
ところが、現政権は13年度の高齢者医療「新制度」創設にあわせて,施行日後、新たに70歳になった人から順次2割負担にしていく計画です。
1割負担の今でもお金が心配で受診抑制が起きています。受診が遅れて重症化すればかえって医療費は膨らみかねません。
安心確保こそ
高齢期の医療費の負担増は現役世代にも老後の不安を広げ、内需を冷え込ませます。社会の安心を確保して日本経済の成長をはかるためにも、国庫負担を増やして患者負担の軽減に向かうべきです。
安心して介護や医療が受けられる市政にするため市議会でも議論しとりくみます