議会活動報告

臨時議会で震災関連補正予算(市長の専決)の審議行う

2011年5月25日

5月23、24日今期初めての臨時議会が開かれました。
23日に、総額6億6800万円の補正予算(市長の専決)を審議しました。
市長の専決の内容は、被災地への支援物資の提供や本市小中学校に転入学した被災児童の学用品等の援助、地震により損傷した市内公共施設の補修、被災地に提供した備蓄物資の補充、放射線監視体制の強化や初動体制の強化、中小企業の資金繰りの支援、地域商業の活性化、節電の取り組み等です。緊急性があることから、市長が専決処分した補正予算の承認に対する審議です。

専決補正予算に対する共産党の代表質問
日本共産党市議団を代表して市古てるみ副団長が質問にたちました。概要を報告します。

公共建築物の安全性について
〈質問〉「目視による応急危険度判定だけでなく、精密診断の実施を」

〈答弁〉「構造躯体の一部に影響が疑われる施設については、より詳細な調査・診断を実施している」

液状化対策について
〈質問〉①「民間企業等に協力要請し臨海部全体の調査の実施を」②「かつて県が行った臨海部液状化の調査報告と照らし、今 回の被害の検証の実施を」 ③「国に対し液状化対策の実施のための予算化を要求すべき」

〈答弁〉①「実施することを検討する」②「県がH14年度に実施しているので再度の調査を県に働きかける③「国への要望について県と協議していく」

備蓄物資の補充について
〈質問〉「人口急増に見合うよう拡充すべき」「アルファ米のお粥以外のアレルギー対応食品の現物備蓄を増やすべき」

〈答弁〉「今後の被害想定調査の見直し等に合わせ対応していく」「備蓄物資の更新時に検討する」

放射線監視体制の強化について
〈質問〉①「今補正予算で南部、北部市場、衛生研究所に放射線検査機器を購入するが納入される間の市内農産物の検査と公表について」②「水産物の検査については?」③「大気中と地表面の放射線量、公園、保育園、幼稚園の園庭、小中学校の校庭の測定と測定機の購入について」

〈答弁〉①「現行の機器で検査を実施する。葉物野菜は県が検査し、市は露地栽培の野菜について実施し検査結果は全て公表する」②「県内漁港の水揚げについては県が実施。川崎港のは市が実施予定」③「今後の福島原発の動向や国の対応を注視しながら、公害研究所及びこの6月から市の北部に増設する環境局の測定所において地表面付近の放射線量も測定していく」

学校における児童生徒の安全と初動体制について
質問〉「学校の判断で児童の帰宅方法が異なったようだが、課題と今後の対策について」

〈答弁〉「停電地域ではしばらくライフラインが回復しなかったり、保護者への緊急時の配信メールが数時間も未送信などの事態、また通信手段が途絶え、学校と保護者、地域、教育委員会や関係機関等との情報連絡が困難になり、特に地震直後の初動の部分で課題があるとうけとめている。これを踏まえ、今回の各学校における初動体制の検証を行うとともに、児童生徒の安全確保について、学校と保護者や地域が相互関係を図りながら、状況に応じて学校がより主体的に対応できるよう学校防災マニュアルの充実に向け支援していく」

保育園児の安全確保について
〈質問〉「市内の認可、認可外の保育施設について園舎の耐震化や避難体制の総点検を行うことについて」

〈答弁〉「公設保育所は83園全て耐震診断、耐震補強実施済み。民設保育所97園のうち耐震診断未実施は7園で診断予定1園、改築計画1園、残りの5園には診断のお願いをしている。避難体制は認可、認可外への指導監査、立ち入り監査で確認している」

地域経済活性化に向けた取組について
  ●市内中小企業の受注確保の支援について今補正予算は、受発注コーディネーターを10名程設置して、生産に支障をきたしている中小企業への受発注の支援を行うものです。
   質問〉①「訪問企業数、対象企業、実施方法について」
           ②「今回の手法を今後につなげていくべき」
           ③「エネルギー分野において、市内中小企業の省エネ・創エネ技術の把握と販路拡大の支援策、本市での活用について」

  〈答弁〉①「延べ600社程の訪問を計画、発注は大手企業等の部材調達部門を中心に訪問。産業振興財団が主体の受発注コーディネーターが、個別的なマッチングにつなげていくとともに「川崎ものづくり商談会」などを活用し、商談後のフォローまできめ細かく対応し、取引拡大機会を創出したい」 ②「市内企業の得意とする加工技術や保有する機械設備等を把握し発注企業とのマッチングを進める今回の事業手法を、これまで実施してきた出張キャラバン隊のコーディネート支援にも活用していきたい」

③「川崎国際環境技術展」や川崎ものづくりブランドなどの既存施策を効果的に組み合わせながら販路拡大を積極的に支援する」

●資金繰り支援について
今回の支援策は1「大震災対策緊急資金」―融資限度額3千万円、利率年1,5%以内。 2「東日本大震災復興緊急特別融資」-2億8千万円、年1、7%以内。

  〈質問〉「事業者の窮状を救うためにも金利引き下げ,融資手続きの簡素化を」

  〈答弁〉「他の事業より低い金利設定になっている。きめ細かく対応し ていきたい」

●地域商業の活性化について
「がんばろう日本」キャンペーンとして、商店街が実施する復興支援イベントや賑わい創出事業等を支援するものです。5月13日第1期募集には10団体が応募。
〈質問〉「今年イベントを計画する全商店街に周知徹底すべき。プレミアム分の補助の実施を」

〈答弁〉「第2期募集に向けても周知する。商品券発行の印刷費、広告宣伝費の一部を支援する」

以上です。
今回は、東日本大震災の被災者救援や建築物の被害に対する施設補修等、緊急を要したために、市長が専決処分をした補正予算に対する承認をめぐっての審査でした。賛成しましたが今回の補正の内容だけでは、とうてい不十分です。
とどろきアリーナへの出張相談窓口の設置、川崎市地域防災計画の見直し、木造住宅耐震改修助成制度の拡充や、自然エネルギーへの転換策として、太陽光発電への助成制度の拡充、日頃からの医療、福祉、介護、子育て支援の充実、災害から市民の命を守る消防職員の国基準配置(増員)など、福祉、防災に強いまちづくりにむけて、6月議会をはじめ、今後の議会で粘り強く取り組んでいきたいと思います。