議会活動報告

誰もが安心して医療を受けられる国保事業へ(決算審査特別委員会)

2011年9月30日

国民健康保険事業と特定検診について質問しました。images

2,010年度の川崎市の国保加入世帯は、24万1,450世帯。2,008年度より5,477世帯減少していますが,総所得200万円未満の加入者は8,658世帯増加し,全世帯の60%を占めています。300万円未満は74%を占める等低所得層の加入が増える中、窓口10割負担となる資格証明書発行数は,2,011年3月現在6866件にのぼります。

生活困窮で医療費の一時払いが困難なときの緊急対応
生活の困窮で医療機関への受診が遅れたために死亡したと見られる事例が全国でも広がっています。
生活困窮のため保険料を払えず資格証明書を交付されている方が、医療を受ける必要が生じ,かつ,医療機関に対する医療費の一時払いが困難であるという申し出を区役所に行った場合の窓口での緊急対応を質しました。
健康福祉局長は「特別な事情から緊急対応として短期被保険者証を交付することとしている」と答弁しました。ともかく区役所の窓口に相談することが必要です。このことは,共産党の小池あきらさんが国会で厚労相から答弁をひきだし、全国自治体に通達された内容です。私は、全区役所に周知徹底するように求めました。

可能な分納相談、減免制度の適用を
資格証明書は納付相談の機会を確保することが目的です。十分な面接時間を確保し,減免制度の紹介や,保険料の可能な分納額の相談に乗り,6ヶ月の短期証に結びつけるべきと質問しました。

局長は「納付相談の来庁を促し,世帯の所得状況を十分に聴取し、保険料の減免制度や,医療費の一部負担金減免制度の適用の有無を検討する等,必要に応じ生活相談の窓口をご案内し,安心して医療を適正に受診できる様つとめている」と答えました。

これは大変、国の進める「旧但し書き方式」で保険料が跳ね上がる世帯が

現在,川崎市の国保料は住民税を基に算定していますが,国は,国民健康保険法施行例の改正を今年度内に行い,旧但し書き方式に変更するとしています。

局長は、旧但し書き方式は、「各種控除を行う前の所得を基に算定するため、各種所得控除の適用を受けている世帯が影響を受けることになる」と答えました。
つまり、扶養家族が多い世帯や,障害者のおられる世帯等ほど保険料が上がるということですから,国保料が払えなくなる世帯がさらに増えることが懸念されます。国保料の値上げでさらに受診抑制が進めば,早期発見できる病気を重くし、逆に総医療費が増大することになります。なんとしても,保険料の軽減、減免対策の充実が不可欠です。

特定検診の受診率,年々低下,目標の半分にも届かず

病気を早期発見し医療費を抑制するためにも,検診は重要です。法律の改定により、基本健康診査から2008年度に特定検診、いわゆるメタボ検診にかわりました。受診率は、2007年度は40,9%でしたが特定検診にかわってからは23,3%、22%、2010年度は暫定数値ですが20,7%と,年々低下しました。19政令市で12番目とのことです。

実態調査を行い受診率向上対策を
市の策定した「特定検診実施計画」では2010年度の目標は50%ですから半分にも届きません。500円だった検診受診料が1200円になると示されたときに,値上げは受診抑制につながると,私は委員会でも主張し、値上げしないよう求め、市民が特定検診をどう受け止め,どんな要望を持っているのか実態調査すべきと2008年の9月議会で求めましたが、調査されませんでした。

今こそ、実態調査を行い受診率向上の対策をとるべきと質問しました。
局長は「本年度から未受診者に対する電話による受診勧奨を行っているが,その際、受診しない理由、要望等についても意見を伺っているので,今後の受診率向上に役立てたいと考えている」と答えました。

国民健康保険法第1条は「社会保障及び国民保険の向上に寄与することを目的とする」とうたっています。この目的のもと誰もが安心して医療が受けられる国保事業にすることを要望しました。