このまちレポート

命を大切にする新しい福祉国家・自治体へ

2012年7月22日

                 

P1050830今、命を大切にする政治を!誰もが望んでいるのではないでしょうか。
7月8日、共産党市議団は、この表題で渡辺治先生の講演会を開催、いつもですが、先生の講演を聴きたいという方で会場はいっぱい。休憩をわずか7,8分はさみ2時間半の熱い講演に聴き入りました。

政権についたら、公約でかかげていた後期高齢者医療制度の廃止も障害者自立支援法の廃止も労働者派遣法の抜本改正も投げ捨てた民主党政権、おまけに4年間は消費税の増税はしないと言っていたのに、増税に命をかけると言って消費税増税法案成立に躍起になっている野田政権です。 期待して投票した国民を裏切っているこの政権交代を歴史的にどう見るかという話から入りました。

先生は、あの3年前の総選挙で、民主党が国民の願いに応えた政策をかかげさせたのは国民の力、運動の成果だと言われました。

2004年に発足し、全国に草の根で広がっている「9条の会」の発展が、自民党の憲法改悪の策動を止め、そして民主党に普天間基地の県外、国外移設と言わしめた。反貧困の大きな共同、運動が民主党のマニュフェストに労働者派遣法の抜本改正を書き込ませた。障害者の皆さんが障害者自立支援法は違憲だ、当事者のことを当事者抜きに決めないでという大きな運動が、自立支援法を廃止し当事者が入った総合福祉部会で総合福祉法をつくると言わしめました。
私たちの運動が、政治を変えたいという国民の願いと粘り強い運動が、政治に強い影響を与えた。もし政権交代がなかったら、もっと早く構造改革が進み日米同盟が進んでいたとはなされました。

しかし、鳩山首相が辺野古でなく「県外、国外移設」だと主張したことに大あわてしたアメリカと、「消費税を4年間は上げない」と掲げたことに慌てた財界の焦りと圧力のすごさ、特にマスコミの同調。財界の猛烈な巻き返しに運動が間に合わなかった。民主党は構造改革の被害の是正は望んだが止める決意も対案もなかった、つまり大企業から負担をとること考えつかないし、日米同盟の見直しを考えられない、こうしたことが原因で民主党政権が変質したという話に納得でした。

「結局政治は変わらない」と思うのでなく、「誰を選べば政治を変えることができるのか」「何を基準に選べば政治が変わるのか」が、はっきりしたのではないか。アメリカの要求に負けない、大企業の大もうけのための政治はしない、このことが、国民のための政治をする判断ではないかということがはっきりしたのではないかということです。納得です。

国民が運動をすれば政治は変えられる。この歴史からの教訓に確信をもとうといわれました。

今、毎週金曜日、首相官邸周辺で原発再稼働反対、反原発の集会とデモが何百人から最高20万人にふくれあがり、16日には17万人ものさよなら原発集会が開かれるなど、国民の、もうけより命を求める空前の運動が起っています。
TPP反対では、農協や医師会、建設業界などとの共同が発展しています。
消費税増税反対も運動を進めよう、それには、「消費税に頼らない別の道がある」このなかみをどれだけ多くの人に語るかだなと聞いていて思いました。

最後に先生は軍事大国化、構造改革政治に終止符を打ち憲法9条、25条が生きる新たな福祉国家、自治体をつくるために以下の5点を話されました。
・ 憲法25条を生かす雇用の安定と社会保障、教育保障を
・ 福祉を保障し日本経済を立て直す税財政政策を大企業はOECD諸    国と比べても負担が軽い、大企業の蓄積を吐き出させて国内市    場 拡大を
・ 大企業本位でない地域と中小企業が中心の経済成長政策
・ 脱原発、原発に変わるエネルギー政策を
・ 憲法9条を生かす日本を

結びに、「今度は私たちが立ち上がる番だ、地域を拠点に、憲法を力に、大きな輪を」とはなされました。歴史的な教訓から学び、運動によって政治を変える、その動きを粘り強く進めるのが私たちの役割だと思いました。先生の話はいつも励まされます。