9月1日防災の日、共産党市議団は「3・11大震災から何を学び、今後の川崎市の防災対策に活かすべきか」をテーマに講演・学習会を開催しました。
私たち市議団は、「川崎市の地震防災戦略はどうあるべきか」を、防災の専門家である中村一郎先生に研究委託し、その報告書ができあがったので、その内容を講演していただきました。市民の皆さんも多数参加され、質問も多数だされました。
中村先生は、防災の最も重要な基本は「市民の命と財産を守れるかどうかだ」。
「首都機能の維持」も大事だけれど、首都機能を守ることに引っ張られてしまうと、市民の命と財産を守る最も重要な対策が二の次になってしまう」と話されました。
防災対策は予防対策—応急対策−復旧対策—復興対策ですが、
応急対策には・情報収集と情報の提供 ・人命の救出、救護活動 ・火災拡大防止、各種2次災害の防止 ・避難所、仮設住宅の確保 ・医療、救護活動等があり、応急対策も大変重要であるが、この対策だけでは人命を守りきることはできない、人命の被害を徹底的に減らすには、予防対策を防災計画の基本とすべき。防災とは災害が起きてからのことだけでなく、まず予防対策に全力をあげることだとはなされました。
この報告書には、被害軽減の目標を設定し、予防対策として木造住宅の耐震補強の重要性と促進、丘陵地の土砂災害の防止対策、液状化対策、津波対策などのすすめかたなどが書かれています。木造住宅の耐震補強は倒壊と火災の発生を防止し、避難路を塞がないために、防災の観点で行政が責任もって助成内容を拡大し周知し耐震件数を抜本的に引き上げることが大切です。
そしていかに被害を減少させるかが大切であり、被害の軽減目標を設定し、これに必要な対策を地域コミュニティと連携共同して推進する防災戦略が重要。地域のコミュニティ防災を進めることだと話されました。地域の住民が、コミュニティをつくり、危険な塀の把握、まちのなかの避難経路などの把握など地域を防災の観点でみることが大切だと話されました。
また、被災者は帰るところがないひとたちで、危ないから避難する避難者とは違い、被災者は救助法にもとづく救助対象になり、救助法に基づく救助の責任は自助、共助ではなく法的に基づく厚労省から委託された知事、そして市町村だとの話に納得です。
質問で、最も重要なライフラインである水の話がでました。自己水源の生田浄水場をなくし広域的な水道行政にゆだねようとする川崎市のやり方について、防災の観点で先生の意見を聞きたいというものでした。
先生の答えは明快で、水を遠くからもってこなくてはいけない町は脆弱であり、市でまかなえる水を大事にしなければならない。命をつなぐ水なのだから、水がなければ人を増やしてはいけない。老朽化しているのなら耐震性をもたせ大切にすることが必要。なくす方向性は防災に逆行するものだとの話に大いに納得です。
首都直下型地震、東海・東南海・南海地震が連動しておきる可能性やその被害想定などが報道されています。川崎市は、3,11大震災の起きる2日前に防災計画をつくり発表しましたが、現在つくりなおしを行っています。応急対策の充実どれも大切です。しかし、市民の命と財産を守るために、これまでの応急対策の列挙だけでなく、予防対策を具体化し、その実施計画もつくってこそ、被害を最大限減らすことにつながることを学習しました。
市は災害発生時まずは自助、次は共助、最後に公助と言っていますが、もはや自助、共助、公助のせかいではなく、命と財産を守る予防対策策定に全力を挙げて取り組み、そのための予算もしっかりつける時だと強く思いました。
9月議会も防災対策の質問に市議団はがんばります。