*ハッピースマイル園の突然の閉鎖が警鐘するもの
昨年の10月31日、この間、首都圏を中心に急激に保育事業を拡張した株式会社エムケイグループが、本来のOA機器販売業の資金繰りの悪化により、本市の小規模認可保育所2箇所、認可外2箇所が突然閉鎖になり、突然行き場を失うこどもたち、保護者の就労と保育士の雇用が停止されるのではという事態に大きな衝撃が走りました。保育事業を営利企業にゆだねる危険性をまざまざ見せ付けられました。事業者の責任と同時に、委託した市の責任や認可の審査・指導・監督のありかたが、厳しく問われます。
他の市ですが、その自治体から支払われた保育の業務委託料を借金の担保に入れていたという報道もありました。本来、こどものために使われるべき税金が、企業の投資や別部門のために使われることはあってはならないことであり、厳しく指摘すると同時にどんな規制を設けているのか質しました。
東京都では昨年、株式会社・日本保育支援協会が設置運営する認証保育所が職員名簿の虚偽申請等で認証が取り消しされ、小田急電鉄の子会社が経営する認証保育所でも同様の虚偽申請・補助金不正受給が発覚したばかりでした。
私たちは、この間繰り返し、営利企業の参入は、営利を最優先に進めざるを得ないために人件費を下げ、採算がとれなければ、いつでも撤退するのですから、やめるべきと主張してきました。現実的になった今こそやめることを今回も強く求めました。
*こども本部長の答弁【要旨】は、
●「保育所運営費の企業投資等に対する規制について、保育所運営は、社会福祉法人に準じた会計処理を行なうこととされているので、適正に処理が行なわれているかを確認するとともに、不正がおきないよう指導・監督を強化していく」
●「企業の運営する保育所運営費の支払い方法などを検討した上で支払い,清算時において、運営、財務状況などの確認指導を行なっていく」
●「保育所の運営は社会福祉法人が中心ではあるが、良好な運営実績を有する企業もあるので、認可に係わる審査のあり方等について検討を行い、急増する保育需要に対応していく」
●「認可の審査について、こども本部内に早急に検討委員会を設置し、専門家の意見も参考にしながら、財務関係を中心に検討して今年度中に一定程度の方向性をまとめていきたい」というもので、「確認」「指導・監督の強化」というだけでは、責任ある解決策とはいえません。
最後に公立保育園を指定管理で民営化する場合、株式会社と競争することになり、結局、運営費の見積もりを下げざるを得なくなり、人件費を下げざるを得なくなることから、民営化を急ぐべきでないことを主張しましたが、
こども本部長は「現在、社会福祉法人による建て替え、または指定管理者による方法で民営化を進めていますが、今後建物の譲渡による方法の導入も検討し、それぞれの保育所の条件を勘案して民営化を進めていきたいと考えている」と答え、全くかみ合わない答弁に終始しました。
保育の市場化、いきすぎた規制緩和、民間でやれるものはすべて民間でという路線にストップをかけ、ことはこどものいのちと成長発達に係わることであり、あらためて児童福祉法を守り、公的保育制度を守ることが必要であることを実感しています。