24日に行った質問の2つめの報告です。
配偶者等による暴力は重大な人権侵害です。国は「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」を平成13年に施行し、神奈川県は「かながわDV被害者支援プラン」、川崎市は「川崎市DV被害者支援基本計画」のもと、被害者支援に取り組んでいます。
川崎市のDV被害の相談窓口は各区の保健福祉センター、男女共同参画センターおよび人権オンブズパーソンです。
3機関における2011年度のDV相談件数は1275件で年々増加しています。
切れ目のない支援と女性相談員の役割は
①市の支援基本計画のとりくみを推進するにあたっては、「相談から自立まで被害者の立場に立った切れ目のない支援をする」としていますが、切れ目のない支援とはどういう内容か。また女性相談員の担う役割を質問しました。
子ども本部長は「DV被害者への支援については、区保健福祉センターを中心に、関係機関との連携のもと、相談への対応をはじめとして一時保護や施設入所、住居設定や自立支援等、多面的な支援に努めているところで、その重要な役割を担うのが専門性を持つ女性相談員」だと答弁しました。
区役所の相談体制の充実を、
②市の支援基本計画には、重点施策として「被害者が関係機関の窓口ごとに事情説明する負担を軽減し,2次的被害を防止するため・・・相互の緊密な連携に努める」とかかげています。そのためには女性相談員が相談者に同行支援することが欠かせません。しかし9時15分から16時までの非常勤嘱託員の勤務時間内でこうした支援ができると考えるのか。正規職員にするとか、すくなくても17時まで勤務時間を延長するとかの改善策を求めました。
子ども本部長は「区保健福祉センターで、組織的に対応しているところだが、今後は相談件数の増加や内容の複雑化に留意しつつ、相談体制の強化について検討する」と答弁しました。
保健福祉サービス課に職員を加配し女性相談員のフォローアップを
③組織的に対応していると答弁しましたが、現に女性相談員が帰ったあとだった。今日は休みだから、出張だからと連休をはさんで何日も相談できなかった事例を聞いています。女性相談員が所属する保健福祉サービス課の児童家庭支援係も、乳幼児健診や家庭訪問、育児相談と飛び回っていてこちらも体制強化が必要です。相談体制の強化について検討するということですから、保健福祉サービス課に専門職員を加配し、フォローアップ体制をとるべき。
基本計画にも掲げられている女性相談員の資質向上の取り組みを
④複雑多様化するDV 被害者に寄り添い、自立支援まで含めた支援を行うには、基本計画にも書かれているように女性相談員の資質向上が重要です。親身になって励ましながらの支援がもとめられています。また、DVは児童虐待と密接に関係しているため、児童相談所、警察など関係機関との連携が個々のケースに添って適切にとられているか、一人職種ですからその辺の検証を組織として行い課題があれば組織としてとりくむ必要があるのではと質問しました。
③④について、子ども本部長は
「区保健福祉センターでの組織的な対応の充実に努める」「女性相談員の連絡調整会議を開催し、情報交換や事例検討会を実施するほか、被害者支援団体、弁護士会などの協力を得て研修会を行っている」などと答えました。
子ども本部長の「相談体制の強化について検討する」との答弁は、専門職員を増やすのではなく、組織内で対応の充実をはかるということですが、保健福祉センターの現状の体制のなかでそんな余裕がとてもあるとは思えません。人口増加、子どもの育ちと家庭支援、高齢者、障害者の福祉と保健、生活保護、どの部署も多忙極まっています。住民の福祉サービス最前線を担うのですから、必要なところには人をしっかり配置すべきです。
夜間、休日の緊急相談窓口=川崎市配偶者暴力相談支援センターの設置を
③相談窓口が平日16時まで、土日祝日はしまっているというのでは、夜間、休日の深刻かつ緊急な相談には答えられません。市は支援基本計画で「緊急な場合には身の安全が確保され、必要な支援を受けられる体制を充実させる」とし、県の「かながわDV被害者支援プラン」では「市町村の配偶者暴力相談支援センター設置の推進」をかかげています。横浜市では各区の福祉保健センターの他、DV相談支援センターを設置し、電話回線のひとつは月曜から金曜までが9時半から20時まで、土日祝日は9時半から16時まで開設しています。川崎市も配偶者暴力支援センターを設置すべきと質問しました。
子ども本部長は「相談状況や相談者のニーズ、他都市の状況等に留意しつつ、DVをはじめとした女性相談への支援について、様々な角度から、調査、研究してまいります」と答えました。
最後に「調査研究ではなく、検討すべきことを強く求め、今後も注視していきます」と意見要望しました。市は自ら策定した支援基本計画の推進のためには、掲げるだけではなく、抜本的な具体策をとるべきです。