09年4月20日
川崎市の子育て支援策の充実を目指し、先進的な東京の取り組みを2箇所勉強してきました。
● 中3まで所得制限なしで医療費無料制度を実施
東京都では、全区で中学校終了まで小児医療費助成制度を行っていますが、平成18年12月から所得制限なしで中3まで実施しているお隣の世田谷区の取り組みを勉強してきました。所得に係わらず、健康重視として、どの子もこの制度をうけることができます。
説明してくださった担当課長さんは、基本的に「病気や健康については所得制限をもうけるのはなじまない」というのが、歴史的な区の考え方ということで、所得制限なしについては平成6年1月からまず3歳未満までを実施し、その後就学前まで、小3まで、そして中3までを無料にしてきたという説明をしてくださいました。
平成19年度に実施した区民意識調査では82%がよい取り組みという評価をしているということでした。
中3までの実施は港区、品川区、台東区についで、世田谷区は4番目だったそうですが、今では23区に広がっています。隣接する区が制度が違うことが市民的に矛盾があって、次々拡充されていったようです。
川崎市は、現在、小学校に上がる前まで、所得制限ありで実施されています。私達は毎議会のように、年齢の拡充と所得制限をなくすことを求めて取りくんできましたが、川ひとつで隣接する世田谷区、大田区が中3まで所得制限なしで実施しているのですから、是非、前進させ、安心してこどもを生み、育てる環境を整えたいという気持ちを改めて強く思いました。
● 親と子にやさしい調布市の子ども家庭支援センター「すこやか」をみてきました
「屋根のある公園」として雨の日でも広場で毎日200~300人の親子が遊んでいるという、時々川崎からも遊びに行くという人からの話を聞いて是非一度視察したいということで出かけました。
○ 親子であそびたい
広々とした開放スペースが確保され、他に畳のお部屋、コップや電子レンジが用意されている食事ができる部屋があり、いつでも遊べます。これらのスペースを利用して,1歳未満の赤ちゃんと保護者の方対象に体操や手遊び、情報交換する乳児交流事業、親子遊び、仲間つくりの場を提供する幼児交流事業などが行われています。
○ こどもをあずけたい
・たまにはゆっくりすこやか保育―買い物など保護者のリフレッシュなど、理由を問わずお子さん(1歳~12歳)時間単位であずかる「すこやか保育」、
・病気、出産、冠婚葬祭などで困った時の「ショートステイ」、
・仕事で保護者の帰宅が恒常的に遅い家庭のお子さんを午後10時までお預かりする。保育園や学童クラブへのお迎えバスもある「トワイライトステイ」などを行っています。
○ 相談したい
自分自身のこと、子育てのこと、家族のこと、健康・発達のことなんでも相談が出来る相談室が設けられ、看護師や、社会福祉士、精神保健福祉士など心理、医務の専門員が面接、電話、メールで応じる事業で前年度利用は6338件だったそうです。
○ 手伝ってほしい
産前産後ヘルパー派遣制度として、母子健康手帳取得後から産後6ヶ月まで家事や育児の手伝いを希望する方にヘルパーを派遣する「ベイビーすこやか」という事業で前年度182名の利用者数だったそうです。
そのほか、ファミリーサポートセンター(育児の手伝いをしてもらいたい人と子育てを援助したい人の会員組織で保育所の送迎などのサポートを行う事業)や子育てサークルのかたがたに会議室の貸し出しもあり、児童虐待防止センターも設置されているということです。
運営は調布市社会福祉事業団が市から委託されて行っています。児童相談所、保健所・保健センター、保育園・幼稚園、教育相談所、児童館、児童養護施設などと連携をとりながら、個々の家庭に必要なサービスを提供し、ひとりひとりのおこさんがすこやかに成長できるようこどもと家庭を地域で支援するネットワークをつくっていく、子育てに関する総合施設として2001年にオープンされたとのことです。
職員は常勤17人(うち市職員1人)、非常勤がプロパー44人とのことでした。
国領駅前のビルの2階に延床約1548㎡の広さです。
多岐にわたって子育て応援が充実しているのに感心しました。
特に一つの機能だけでなく、相談機能も、親子でのびのび遊べる場も、交流事業も、預ける事業も・・・と要求に応じた活動が同じ場所で行われるということはとても利便性があり、市民にはとても使いやすいと思います。
川崎市は新中央児童相談所の整備とあわせたこども家庭センターが2011年度に整備する計画です。視察した内容を川崎市の施策にどういかしていくのか考えていきたいと思います。みなさんのご意見を是非お寄せいただきたいと思います。