10月25日、市議団6人で北海道の釧路市役所、 26日、北海道庁を訪ね勉強してきました。
釧路市では ・中学校給食について ・商店街・中小企業者等への助成制度について ・軽度生活援助事業について それぞれ担当課長さん方から丁寧に説明をしていただきました。また生活保護「自立支援」プログラムについては資料をいただきました。
「中学校給食は教育の一環」
釧路市は、平成17年に釧路市、阿寒町、音別町の3市町が合併しましたが、学校給食については、各地区における設備の相違などにより、釧路市小学校給食センター、釧路市中学校給食センター、釧路市阿寒町学校給食センター、音別町は音別小学校で、音別中学校の給食もつくり配送する親子共同調理場方式をとっているとのことです。課長さんは①栄養のバランスのとれた食事、②安全安心でおいしい食事、③教育の一環として位置づけ、8人の栄養教諭が、栄養、食事についての授業を受け持ち、給食と食育が現場で実を結んでいると思いました。栄養教諭の方々が非常に熱心で、メニューの開発も月に1食くらいのテンポで行っており、給食が家庭の食事にも良い影響を与えているとのことでした。
私たちは、中学校給食を実施している他市の取り組みを視察していますが、その度、川崎でも早く実施させていきたいとつくづく思います。市長がなぜあれほどかたくなに拒むのか、理解に苦しむところです。釧路市ではその地域の特徴に併せて無理なく行っています。川崎でできないはずがありません。
きめ細やかな市独自事業
釧路市では介護保険サービス外の市単独の事業をたくさん行っています。そのひとつが在宅の一人くらし高齢者等に対し,軽易な日常生活の援助を行う「軽度生活援助事業」です。世帯員全員が市民税非課税の世帯で、65歳以上の者で一人くらし、もしくは高齢者のみの世帯等が対象になるとのことです。多いのは、家の周りの手入れ、家庭内清掃。昨年度からは月2回の灯油の購入、運搬、ストーブやポータブブルタンクへの注入が行われ、とても喜ばれているとのことでした。
1回のサービス単価は840円で、利用料は1回につき80円、市が760円負担するとのことです。
サービスは介護保険の申請をしていない人、介護認定が非該当の人、要支援の人だそうですが、大事だと思ったのは、市役所の高齢福祉担当課の社会福祉司、ケースワーカーの方が、家庭訪問を行い、実態の把握をしっかり行い、「サービス基本台帳」を作成していることです。この台帳がいざという時に役に立つといわれていました。高齢者の状況を市がしっかり把握しているのです。
他にも、①食材の調達や調理などが困難なため栄養バランスがとれた食事の提供が必要な方を対象に配食サービスを行う「食の自立支援事業」。
②安否確認が必要な70歳以上の一人くらし高齢者対象に週2回ヤクルト(無料)を渡しながら「お元気ですか」と声かけを行う「単身高齢者声かけ運動事業」。
③認知症高齢者の見守りや話し相手のためにボランティアが訪問し、家族の介護負担を軽くする「認知症高齢者家族やすらぎ支援事業」などなどです。このやすらぎ支援事業は以前川崎でも3年間モデル実施しただけで、辞めてしまった事業です。私は実施を求めて質問したことがありますが、市は全くやる気を示しませんでした。
これらの事業は川崎市では行っていません。釧路市のこうした事業について、対象者の条件をあまりあれこれつけていないことも使いやすいと思います。介護保険は対象サービスが限られますから、こうしたきめ細やかな支援を行う必要があります。高齢者に優しい市政にしなくてはならないと改めて思います。