東京都２３区は私立幼稚園保育料補助が国の決めた補助額の上にさらに都と区の上乗せ補助があるため大変充実しています。なかでも江戸川区は、所得制限なく園児１人に対し月額２万６０００円（年額３１万２０００円）を限度に補助し、川崎市と比べると差は大変なものです。また４４園中区立幼稚園が５園あります。

川崎市は１７政令市で一番高い保育料です。なのに市単独に補助をしているのはEランクだけで，AランクからDランクまでは市としての補助は行っていません。私たち市議団は、これまで、子育て世帯の経済的支援策としてAランクからDランクまですべてのランクに江戸川区のように市としても補助をするべきであり、Eランクも補助額の増額を行なうことを繰り返し求めてきました。

川崎市は人口急増の中、私立幼稚園の定員超過率は県内で唯一１００％を超えているにもかかわらず、たった２園残った公立幼稚園を閉園する計画です。この計画が示されて以来、私たち市議団は存続すべきと繰り返し議会で主張してきましたが、０９年度末で閉鎖されてしまいます。

江戸川区の私立幼稚園保育料補助への考え方と公立幼稚園がどのような位置づけとされているのかを勉強し、川崎市政に生かしたいと考え、江戸川区立鹿本幼稚園の視察と担当課から取り組みを伺ってきました。

まず驚いたのは、鹿本幼稚園の園庭の広さと大きな樹木が何本もあることです。広い園庭でのびのび遊ぶ子どもたちの目が輝いていました。室内も広く都会でもこんなに環境に恵まれているんだと感心するやらうらやましい限りです。
江戸川区立幼稚園は親子広場「あいあい」といって区立幼稚園を広くコミュニティーの場として地域の子育て支援に力をいれた取り組みを行っています。

区立幼 稚園の保育料は月３０００円です。私立幼稚園の保育料の平均は月約３万円なので公立と私立の自己負担額の差がでないように、私立幼稚園保育料の補助額を設定しているとのことでした。月額２６０００円の補助額はそうした考え方からです。

そして入園料についても、公立は１０００円です。私立への入園料補助額は、入園料から１０００円を引いた金額が補助対象額で、８万円の範囲で補助しています。
川崎では、公立と私立の保育料の差が大きくて不平等だから、低額の公立をなくすと市長や教育長はいいました。一方、江戸川区では、公立と私立の保育料の差がでないように私立幼稚園の保育料の補助額の設定を行い、区立幼稚園も存続している。
真に子育て支援策の充実とはそうした施策を行うことではないでしょうか。