このまちで子育て

「新たな公立保育所」のあり方基本方針について質問しました

2013年3月13日

予算審査特別委員会で行った質問の最後です。
市は、既存の公立保育所について、各区3カ所を新たな機能をもつ公立保育所として残し、あとは順次民営化を進める基本方針をうちだし、2013年度は、川崎区と宮前区でモデル実施し、2014年度から全区で実施するとしています。
3カ所については、1カ所をセンターとし、2カ所をそのブランチと位置づけ、1地域のこども・子育て支援 2民間保育園への支援 3公・民保育所への人材育成の新たな機能をもたせるとしています。sougei_papa_s市は背景として「子育ての孤立感、負担感、不安を持つ保護者の増大、児童虐待対応の件数の増大、特別支援が必要なこどもの増大等保育所を取り巻く社会状況が変化する中で地域の子育て支援の強化等、公立保育所に求められる役割が大きくなっている」。また「公立保育所には地域開放として園庭やプール等を有するとともにこれまで地域の子育て支援に積極的な取組で培われた豊富なスキルや、子育てに関する相談や助言ができる保育士、看護士、栄養士等の専門性をもった人材が配置されているという特性がある」と、公立保育所に求められる役割と地域の子育て支援に果たしている役割を大きく評価しながら、3カ所以外は民営化するというのは、論理が矛盾しています。

○は石田の質問 ●はこども本部長の答弁(要旨)です

○2011年度の公立保育所における地域の子育て支援の実績と評価を質問
●こども本部長は「公立保育所全園の68園で、園庭開放については延べ15,725回実施し、地域の親子が52,075人利用。移動動物園や夏祭り等園の行事には述べ1,285回に16,861人が参加し、出張保育については660回実施し21,003人の児童の保育を行った。育児相談については睡眠や食事等基本的な生活に関わる内容や、発育・発達に関わる相談等述べ2,385回対応している。地域に浸透した事業として評価され多くの児童や保護者に利用、参加していただいている」と答えました。

○ 実績が本当に大きい。こうした地域の子育て支援を果たすには、乳幼児を連れた保護者が気軽に行ける身近な場所にあってこそ役割を果たせる。地域支援を公平に行うには、区内3カ所と限定するのでなく、既存の公立保育所を存続させ、地域支援を継続するべきだと考えると質問しました。
● こども本部長は「第2期保育基本計画」に基づき策定した「新たな公立保育所のあり方基本方針」において、地域によって様々な特性があることから、ニーズや課題等の状況把握に努め、地域の実情にあった、きめ細かい支援を図るため、各区に3つのエリアを設定し、それぞれのエリアに新たな公立保育所を位置づけることとした」と、決めたことの説明だけで、質問に対する答えになっていない答弁でした。

○ きめ細かい支援をはかるというのなら、乳児の親子が行きやすい場所が必要です。センターもブランチもない地域に対し、その格差を今後どうやって埋めるのか。支援するという民間保育所との協議はしているのかと質問しました。
● こども本部長は「民間保育所においても可能な範囲でこども・子育て支援を実施していただいているので、新たな公立保育所を中心として民間保育所等との連携を強化する中で、こども・子育て支援を推進して参りたい。民間保育所との協議は保育士会の園長会で説明しているが一定のご理解をいただいている」と答弁しました。

公立保育所は公的機関であるからこそ、地域に果たす役割を担うことができ、本部長もその果たしている実績を評価しながら、センターもブランチもない地域の格差をどう埋めるのか質問すると、民間保育所でも子育て支援を行っているので、連携して行っていく。一方、3カ所以外の公立保育所は民営化していくと言うのでは、答えになっていません。そして公立が民間を支援し人材育成まで行うと言っている相手の民間保育所との協議がきちんとできていないこともあきらかになりました。今、民間保育所で組織されている「保育会」に入っていない園は全体の3分の2といいますから、まだ説明も意見も聞いていない状態で、新年度からモデル実施,2014年から本格実施というのはあまりにも拙速と考えると意見を言いました。