4月24日、健康福祉委員会で川崎市健康安全研究所を視察しました。この施設は今年の3月に、川崎区殿町の川崎生命科学・環境研究センターの2階に開設されました。
感染症対策、食の安全安心、生活衛生対策等の様々な健康危機管理に対応する科学的・技術的な中核施設として、川崎区大島に設置されていた従来の衛生研究所の機能を強化し、市民の健康を守り、調査研究、試験検査、研修指導、公衆衛生情報等の収集・解析・提供をおこなうとしています。古くて狭かった衛生研究所から新築された建物に引っ越しし、名前も健康安全研究所となりました。
中は特定細菌・特定ウイルス、食品細菌検査、分子生物等の研究をする「微生物研究エリア」と残留農薬、水質検査、食品科学、放射能等の検査を行う「理化学研究エリア」、感染症情報センターをおく「事務室エリア」に分かれていて、それぞれの入室のセキュリティーは徹底していました。
市民むけに、それぞれどのような検査、研究を行うのかの説明が検査室の前に表示されていました。スタッフが説明をしてくださいましたが、かなり専門的な内容です。わかりやすいパンフがあればと思いました。
残留農薬の検査室や遺伝子組み換え食品の検査、放射性セシウムや放射性ヨウ素を高精度に測定するゲルマニュム半導体検出器を設置し、食品や飲料水中の放射性物質の測定や食中毒の検査などなどまさに市民の健康を守る検査、研究機能を有するところです。
それぞれ法律にもとずき健康を守るための基準値が定められていますが、ふと、TPPに参加し、残留農薬や遺伝子組み換え、食品添加物などの基準緩和が行われるような事態になった場合、市民の健康を守るこれらの高度な検査、研究がどういう位置づけになるのかと思ってしまいました。
市民の健康を守るための専門的な検査、研究機関としての機能を十分発揮するためにも、基準緩和はしてはいけない、TPP参加はだめだと改めて思いました。