2010年度予算額 770億8269万3千円
2009年度予算額 536億6011万7千円
昨年度比 +234億2257万6千円はこども手当て費等の反映です
子育て施策の充実が予算で確保されているでしょうか
●児童手当 14億8千万円 市費 3億7千6百万円 (2・3月分)
●こども手当て 263億円 市費 28億8千6百万円 (4月~1月分)
所得制限なしで中学卒業まで1人月額 1万3千円〈10年度〉
…………………児童手当て……………こども手当て
0歳~3歳 ……1万円…………………1万3千円(+3千円)
3歳~小6……5千円又は1万円……1万3千円(+8千円又は3千円)
中学生 ………… 0 ……………………1万3千円(+1万3千円)
(+分は国費負担)
支払い月は6月(2月、3月分の児童手当分、4,5月のこども手当て分)
10月(6,7,8,9月分)
2月(10,11,12,1月分)
従来の児童手当が4月からこども手当てに移行する。
これまでの児童手当て分だけならば10か月分の市費負担は約19億円ですが、新年度はこども手当てに移行になることで、市費負担は28億8千6百万円になります。所得制限がなくなることで、小学生の範囲で新たに対象者が増える分は、児童手当の地方負担割合が適用され、新たに約10億円負担増が発生したためです。その負担増分は新たな特例交付金として国からもどされる約束ですが、時期は未定です。
鳩山内閣はこども手当て導入に伴って所得税・住民税の年少扶養控除〈16歳未満〉を廃止します。所得税は11年1月から、住民税は12年6月から増税になります。こども手当てが支給されても控除廃止で支給額が大幅に目減りする世帯が相当数でる。さらに所得税、住民税を基準に算定される私立幼稚園保育料補助や保育所保育料、国民保健保険料等が値上げになり逆に家計をおびやかされる世帯もでます。
●私立幼稚園保育料補助 19億9千2百万円 市費 17億5百万円
所得階層…………2010年度…………2009年度
Aランク……………220,000円………153,500円
(生活保護世帯)
B ランク…………190,000円………116,300円
(年収290万円以下)
Cランク……………106,600円………88,400円
(年収360万円以下)
Dランク………………62,200円………62,200円
(年収680万円以下)〔市費を18600円補填し、昨年度と同額に〕
Eランク………………48,000円………48,000円
年収680万円以上(全額市費)
(1人就園または兄弟が同時就園の場合の一人目)
(AランクからDランクまでは国が定めるが、市費負担は4分の3)
新政権は低所得に重点化するとして、AランクからCランクまでの単価をひきあげたが、Dランクは43000円に減額したため、市費で補助しているEランク48000円と逆転するため、わが党は先の議会で市費で補填す
るよう強く求めた。結果、09年度と同額になるよう補填することになった。しかし川崎の保育料平均は政令市の中で最も高いうえに、2010年度の市内幼稚園の入園料と保育料平均は09年度より2726円値上げすることがわかり、さらにDランクは年収360万円以上680万円以下と範囲も広いこともあり、Dランクの補助額の増額を求めました。
●保育所整備事業 17億2百万円 市費 4億3百万円
認可保育所の整備 平成23年度開設〔H22年度建設工事〕
・幸区鹿島田 120名定員
・中原区木月伊勢町 100名定員
・高津区末長 90名定員
・多摩区稲田堤 70名定員
・民間事業者活用型 15箇所 690名(定員60名以上・8か所、定員30名程度・7か所)
平成24年度開設
・幸区幸消防署仮庁舎跡地 120名定員(平成22年度建物解体撤去)
09年4月の待機児童が713人にも達したため、市は年度途中で保育緊急5カ年計画の改訂を余儀なくされ、当初計画のうえに、緊急対策を講じ、平成22年4月開設の新設保育所などで1045人の定員増をはかった。しかし今年2月時の認可保育所への新規申込者6367人〈昨年比414人増〉に対し不承諾通知は2513人に〈昨年比189人増〉。39・5%の不承諾率〈昨年は39・0%〉となりました。不承諾の方々は4月までに、認定保育所やかわさき保育室、おなかま保育室、保育ママ、地域保育園に預け先を確保しないと仕事に就けない。育休復帰もできない事態になってしまいます。
今年もこうした深刻な実態は改善されていません。さらなる緊急対策が必要と考えます。
保育緊急5ヵ年計画改訂版は、09年から2011年度まで毎年1000人の定員増を行い、3年間で3千人の受け入れ枠の増をはかるとしたが、待機児をなくすには5千人増は必要と思います。
市有地貸与方式、民有地を活用して新設する社会福祉法人には土地の手あてにたいする補助方式をつくるなど、思い切った対策を講じるべきと思います。
●保育サービスの拡充事業 170億995万円
・認可保育所の受け入れ枠の拡大
平成22年4月に開設する新設16か所、民営化5か 所、定員増3か所で計1,045名の受け入れ枠の拡大分の運営費。
新設保育所は全て民営です。株式会社の参入が増加。なかには1社で4ヵ所もと言う企業も。保育士の定着率や人材確保の心配があります。園庭のある、バランスの取れた保育士の確保など認可保育所の緊急増設を計るべきと要求しています。
・延長保育事業の拡大―新設園や民営化園で20時までの2時間延長保育を実施61か所から78か所に。
・一時保育事業の拡大〈24から25か所〉
・かわさき保育室の拡充(7から11か所)
・保育ママ制度の拡充〈14人から19人〉
●医療費助成事業 42億17百万円 市費 32億4千万円
・小児医療費助成事業 27億(現状小学校就学前まで、所得制限あり)
・ひとり親家庭医療費助成 5億23百万
・小児ぜん息患者医療費助成
・自立支援医療事業
・小児慢性特定疾患医療費助成
市長は市長選挙で小児医療費助成事業の拡充を公約しながら,拡充の予算案になっていません。
すでに政令市で所得制限なしは7市に拡大(静岡、浜松、千葉、埼玉、名古屋、京都、福岡)。年齢拡大はさいたま市、名古屋市は中3年まで。神奈川県下でも小6まで8市町〈鎌倉、藤沢、海老名、大磯,中井、山北、箱根、清川〉、所得制限なしは7市10町1村に拡大。東京都23区は中3年卒業まで、所得制限なしで実施。川崎市で所得制限をなくし、中学卒業まで拡充するのに必要な財源は約27億円とのことです。
前進させたいものです。
●児童相談所・一次保護所の整備 11億7500万円 市費 9219万円
・仮称新中央児童相談所の整備 〈鹿島田に新設〉―8 億2083万円
こども家庭センター、新中央児童相談所、一次保護所 定員40名の新設〉を一体的に整備(2010年度建設工事、2011年度開設・運営)
・仮称北部児童相談所の整備(生田幼稚園跡地)〈2010年度建設工事、2011年度開設・運営〉―2億6358万円
・現中央児童相談所を2011年度改修を予定していることから2010年度は改修の設計委託料の予算を計上
児童の発達成長を専門的な立場で守り、対策を講じる児童相談所について、私たちは、 児童人口の増加、児童虐待の急増等に対応策が必要と主張し、川崎北部に新設が必要であること、一次保護所の居住環境が劣悪であり、しかも入所児があふれ、長期化傾向もあり、拡充の必要をずっと指摘してきた。整備が図られますが機能が充実するよう求めていきたいと思います。
●要保護児童施設の整備事業 2億1千8百万円 市費4709万円
・北部地域に乳児院整備〈本市2ヶ所目〉
・児童養護施設整備 〈本市3か所目〉
市内の施設が少なく、他都市に入所をお願いしいる現状から整備することに。
●青少年施設運営事業 3億4862万円 市費3億677万円
・こども文化センター58館、わくわくプラザ113施設の運営費等
●青少年施設整備事業 4億2386万円 市費6097万円
・こども文化センター施設整備費
・福祉センター再編整備の日進町こども文化センター分
・わくわくプラザ施設整備費―6か所
等