このまちレポート

大田区の医工連携事業の取組と工場アパートを視察しました

2013年5月2日

P4180375P4180390 共産党市議団は4月18日、約4千軒の町工場が集積する大田区の中小企業振興策「医療機関とモノづくり企業が連携した取組」(医工連携)を勉強してきました。

町工場のモノづくりの優れた技術を生かす支援

大田区の町工場のもつ多品種少量生産、高精度の加工技術、短納期での試作対応力の「モノづくりの力」に、区内の医療期間から例えば手術に使うこんなものがつくれないかという期待があつまって連携が始まり、成長が期待される分野であることから、太田区は取組を推進する医工連携支援センターを開設しました。

同センターは「病院の先生と町工場のおやじの見合いの場」といわれています。共同事業として手術中に患者自身の心膜から心臓弁をつくり、心臓に縫い付ける画期的な大動脈弁形成術に不可欠な、弁の大きさを測定する器具などが生まれています。区内の中小零細企業のものづくりの実態をよくつかみ、今ある優れた技術の土台の上に組み立てられた積極的な支援は着実に地元の利益、地域経済の活性化につながっていると感じました。

川崎も市内の中小零細企業は優秀な技術力をもっています。市は先端産業の誘致やライフイノベーションの研究開発には多額な市税を投入していますが、市内のモノづくりの技術を生かし、つなげる積極的な産業政策がみえてきません。P4180479

また大田区は「住工の調和あるまちづくり」という視点から1階が工場で2階以上が住宅の『工場アパート』や地価高騰で資金力のない小規模企業では工場の購入が困難になったことから新規開業や工場移転の対策に賃貸型の「工場アパート」も建設し、全部で6カ所の工場アパートを支援しています。
視察した「テクノFRONT森ヶ崎」は総工費38億円で5階建て、49全室工場です。50平方メートル程なら4万4千円(月額)~334平方メートル程なら88万3千円という設定で、相場より1~2割安いのも魅力です。川崎でも「工場アパート」のような支援策も必要だと思いました。

写真(左上)工場アパート「テクノFRONT森ヶ崎」を視察、(右上)工場アパート「OTAテクノCORE」内区画を視察、(下)「OTAテクノCORE」