年々増える申請者に対し、年間の予算総額を変えず、収入基準を生活保護基準として、さらに申請生徒の成績を3.5以上とし、対象者と給付額の見直しも行うという条例の改定が6月議会に提案されました。採決にあたり、私は日本共産党を代表して反対の理由を以下のように述べました(概略)
高校奨学金制度は、2003年度は支給定員450人、予算総額は5557万円余でした。それが2006年度は350人に削減され、予算総額は4322万円余に減額され、そのまま今日に至っていますが、応募者数は824人から1,277人に大幅に増えてきました。
にもかかわらず、今回の改定では予算総額は減らしたままで、一番給付率が低い私立高校1年生並みの支給額に軒並み減額してしまうものです。予算こそ増やすべきという共産党の質問に対し、教育長は「このこと(一人一人の支給額を減額する)で、給付を受ける人数を増やすことができる効果が大きい」と答弁しました。
この間、川崎市の給付型奨学金は高校中途退学率を下げ、経済的理由で就学困難な生徒が卒業するために有効な支援策として、進学希望率も高め、将来社会的に自立するために有効な支援策として教育委員会は位置づけてきました。
しかし、今回の改定によって、後退させるものにならないか大変危惧します。
この改定の契機になっているのは行革プランです。
貧困の連鎖、経済的格差が進み、その是正が求められているなかで、これだけ多くの申請者、学業を続けたい。奨学金を必要としている生徒がいる現実のなかで、他都市でも横浜以外は定めていない成績面を3.5以上を基準とする改定もすべきではありません。
まさに奨学金は未来への投資です。今、必要なのは予算総額を大幅に増やし就学の機会を保障することです。