議会活動報告

特別養護老人ホームの整備と介護現場の処遇改善の支援について

2013年10月15日

(質問の続き)

DSC02443本市の特別養護老人ホームの待機者は5300人を超しています。2012年度中の整備は7カ所、ベッド数は816床、ショートステイは66床の補助金が支出されています。そのうち2012年度中に3カ所が竣工(開設は13年度)しましたが、施設整備の総額は、37億3600万円余に対し、整備にあたっての補助総額は、28億6000万円余でその財源内訳は市債が26億9000万円余、市の一般財源が1億6000万円余です。整備費補助について、06年度までは、都道府県の交付金が充てられていましたが廃止され、都道府県補助は起債対象となり,その元利償還金は相当額の70%が後年度の基準財政需要額に算入されるとのことです。

厚生労働省は社会保障審議会介護保険部会で,特養ホームの入居者を要介護3以上に限定し、要介護1と2を外す案を提示しましたが、審議会では出席者から反対意見が続出したとのことです。川崎の場合、2012年度の川崎市民の入居者の人数は3501人です。要介護1と2の方の入居割合は16,7%でその入居理由については、介護者不在や介護困難、認知症等による判断力の低下や喪失などということですから、要介護度1,2であっても入居は今後についても認めるべきです。

川崎の単身高齢者の占める割合は高齢者世帯の29,2%、約3割です。そのうち,80歳以上の単身高齢者も1万2589人にのぼっています。5年前より1,6倍増えています。今後についても,介護度や認知症の程度の他、介護度が1,2であっても介護者不在、介護困難も入居要因としてとりくんでいくとの答弁でした。介護を必要とする高齢者が在宅で暮らすのか,施設入居を望むのかは,おかれている状況等でケアマネージャーと相談しながら選択します。どちらを選択しても高齢化が進む中、特養ホームは入所施設と同時にショートステイ等の在宅介護を支援する施設でもありますから、待機者をなくす規模の増設を急ぐべきです。

介護現場の処遇改善については、社会問題になり、2009年に国が「処遇改善特例交付金」をもうけましたが,2012年度から廃止され,介護報酬に組み込まれましたが,実質的には介護報酬はマイナス改定で、依然として介護現場の労働実態は厳しいと聞いています。財団法人介護労働安定センターが行った2011年度調査では介護職の離職率は20%と他業種と比べてもずば抜けて高く、なかでも非正規職員の入れ替わりは特に厳しいと指摘しています。

千代田区は08年より人材確保とスタッフの定着支援として,介護施設の非正規から正規職員への格上げ、パート職員の時給引き上げ等の処遇改善に1施設あたり584万円の補助金をだし、さらに職員にも住宅手当の支援を行っているとのことです。本市においても処遇改善のためにそうした支援を行うよう求めました。