国民の目と耳と口をふさぎ、『国民の知る権利』等憲法の基本原則をくつがえす『秘密保護法案』が衆議院本会議で審議入りしました。
この恐ろしさは、国民からみて『何が秘密かも秘密』になり、自分が接した情報が「特定秘密」かどうかわからないまま処罰される事です。
11月6日夜、多くの市民の皆さんが参加して「秘密保護法案緊急学習会」が開かれ、本当にこんな法律通したら大変な事になると恐ろしくなりました。
安倍内閣が成立を狙う『秘密保護法案』は「国民の安全の確保」どころか、日本をアメリカとともに戦争をする国につくりかえるものです。
国民の安全を最も脅かす戦争の計画がつくられても,それを知る事が困難になってしまいます。
「特定の秘密」の範囲として①防衛 ②外交 ③「特定有害活動」の防止 ④テロリズムの防止に関する情報をあげています。
例えば「防衛」は、自衛隊の運用、装備、施設等あらゆる事項が対象です。「特定有害活動」は核兵器、化学、細菌兵器、ミサイルロケット、戦闘機の輸出入活動までが秘密の範囲にされます。
法案は「特定秘密」に対して、国権の最高機関である国会の国政調査権をも制限しています。国会議員や職員も秘密を漏らせば処罰の対象にされるのです。これは国会の立法権も国民主権にも反する者です。
さらに、日本の国会には開示を制限する一方で,アメリカ等同等の秘密保全体制をとる外国政府に対しては,外務省や防衛省の判断で特定秘密を提供できる仕組みとなっています。これは国民には隠しながら日米同盟で情報を統制し,操作しようとする危険な本質を示すものと言えるのではないでしょうか。
秘密を守る法律ですから,秘密の中身自体を国会も,裁判所も,誰もチエックできない。公務員やジャーナリストだけの問題ではありません。原発の情報やTPP交渉のような,命や暮らしに関わる情報もすべて隠されてしまう事になりかねません。
秘密保護法案は,秘密がどこにあるのかは誰にも知らされません。秘密を漏らしたり,漏らすよう求めたりした人は懲役10年の重罰に処せられてしまいます。何が秘密かもわからない訳ですから、それが秘密かも知らずに誤って漏らした人も同様です。秘密を探ろうとする人も処罰されるというのです。国民の知る権利は侵害されます。
重大なのは、『秘密』を指定するのが、首相や、外相、防衛相、警察庁長官らの勝手な判断で秘密の判断をいくらでも広げる事ができることです。
国が都合の悪い事を国民の目から遠ざけようとする時、そこには必ず戦争への準備がありました。戦争は秘密からはじまります。秘密保護法案は戦争への地ならしです。軍事情報は,国民の命、身体、財産に関わる情報です。
民主主義の世の中は国民の生活に関わる,すべての大事なことは国民が話し合って決めるのです。必要なのは情報開示です。こんな法律をつくろうとしているのは先進国では日本だけです。
時代に逆行し民主主義を根底から覆す『特定秘密保護法案』の成立を阻止しなければなりません。反対世論は急速に広がっています。日本弁護士連合会や日本ペンクラブ、民放労連、新聞労連など、の反対、抗議声明が続いています。全国紙も反対の社説をだしています。
学習会参加者一同で『秘密保護法』制定に反対するアピールを採択し、明日から世論に訴える活動を確認して終了しました。