このまちレポート

市内唯一の市立西中原中学校の夜間中学を訪問しました。

2013年12月5日

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市立西中原中学校に川崎市内にただ一つの夜間学級があります。4日夕方、はじめて訪問しました。テレビで紹介された「市立高津高校の定時制野球部」の上中別府さんの学んだ夜間学級とのことです。上中別府さんは「83歳の女子高生球児」という本を出版され『この本を読んでいただければ夜間中学のことがよくわかります』と,夜間学級の主任の先生が言っておられました。上中別府さんのテレビ放映後に二人程入学の問い合わせがあったとのことです。

P1100800生徒さんは,日本だけでなく外国籍の方もいます。ことばの習得のために言語を指導する先生もいました。入学条件は川崎市在住と在勤、義務教育就学年齢を超えたもの、義務教育未修了者という事で,今年4月現在の在籍は21名とのことです。

教科指導に当たっては、出身地,生い立ち,年齢に配慮して年間指導計画をたてきめ細かに学習支援を行い、国語、数学,英語は習熟度に応じ4グループに分けて指導にあたっているとのことです。生徒数が減ってしまうとクラスが減リ教員配置も減ってしまうので、新入生を募集する横断幕を校舎に貼っているとの事で、南武線から見えますよとのこと。市政だよりにも掲載しているとの事です。貴重な学びの場である市で唯一の夜間中学の灯をともし続ける事の重要性を感じます。そのために工夫した周知が必要かなと思います。P1100790

教室に案内していただきました。最高齢のかたは70歳の女性でした。楽しいですか?とお聞きすると「楽しいです。孫と同じような年齢の子たちに囲まれて」「先生たちも優しく教えてくれます」とのお答えがかえってきました。17歳18歳の方が一番多いとの事で,楽しそうな雰囲気が伝わってきます。

ちょうど4日は夜6時から「イブニングコンサート」があるとのことで、先生が、プログラムの紹介をしていました。「指揮者体験」を行うとの事で,2拍子の指揮の取り方を実際にCDの曲にあわせて振って練習していました。

P1100802先ほどの女性の司会でイブニングコンサートが始まりました。演奏はリエート・カルテットのみなさんで、シューマン作曲の弦楽四重奏曲第3番です。思わぬところでクラシックの演奏を聴けてうっとりでした。

同じ敷地内の「ゆうゆう広場 なかはら」も案内していただき,説明も受けました。不登校の小中学生の通う教室です。

足早な視察でしたが,どちらも大切な教育の場です。指導にあたっておられる先生たちに敬意です。