合併前の旧高崎市の全小中学校給食は自校方式で、なんと昭和62年度からスタートしています。その後の合併で現在63校の小中学校が自校方式で行っています。合併前にセンター方式で行っていた小中学校24校園ではそのまま4カ所のセンター方式をとっているとのこと。自校方式をとっている学校には栄養士が配置され,給食センター4箇所にも6人の栄養士を配置しているとの事です。
1月27日、自校方式の高崎市立片岡中学校に伺いました。
高崎市で早くから中学校給食がスタートしたのは,高崎市には、学校薬剤師会、学校医師会、学校歯科医師会で構成される3師会といわれる「学校保健会」が大きな役割を果たしてきたとの事です。各学校では年5〜6回の健康委員会が開かれ、必ず3師会が参加。医師ももっと学校にかかわっていく、こどもの健康を応援するのが学校医の役割。廊下に水道の蛇口がたくさんあるのは、学校歯科医の先生の提案との事。中学校給食にも3師会の応援があるとの事です。
センター方式で食中毒がおこると大変なことになるとしてセンター方式から自校方式に切り替えている学校もあるとのことです。議会では自校調理方式だと雇用の機会が増えるという認識のもと、承認されてきたとの事です。
大きな役割を果たしてきたもう一つが栄養士が全校に配置されていることです。栄養士さんが,切磋琢磨しながら研修と研究を重ねていることです。驚いたのは、高崎の地場産大豆・小麦を用いて安全な醤油を開発。国産大豆使用の豆腐、高崎ソースの開発等栄養士さんの専門性を遺憾なく発揮して子どもに安全でおいしい給食、地場農産物を活用した給食を行っているのです。
地場農産物を使う事で,生きた食教育ができる。先日もグリーンアスパラを生産している農家の見学に生徒が行ったが、自分が住んでいる町で何ができているのか知り、農家が愛情込めて農産物をつくっているのを感じる事ができる。まさに生きた教材です。とのことです。
また栄養士さんが給食時間に教室をおとずれるといろいろな注文や意見がでる。それらを献立にいかすことができると言われていました。
試食させていただきました。メニューはこめっこパン(群馬県でとれたお米を50%使った米粉のぱん)、カレーうどん、大根さらだ(大根、きゅうりともに地元産),榛名まちでつくられたいちごで、大変おいしかったです。カレーうどんのジャガイモがたくさん入ってとてもおいしかったです。
栄養士さんも説明に来てくれ、「この中学校給食を食べて育ち,高崎市の中学校給食はほこりであり、夢だった高崎市の栄養士になれて幸せです」と生き生きと話されていたのがとてもまぶしかったです。
まさに栄養士の専門性を発揮したやりがいのある仕事です。
そのご、全クラスにお邪魔しました。配膳が終わるまで読書をしているクラスもありましたが,給食を前にうれしそうです。食べるという基本的な要求が心身ともに満足するという事はきっといじめも起きないのではと思いました。